■夜間は、竹あかりが渓谷で奏でる光のページェント

「竹あかりは、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組み」と説明する松崎さん

 午後4時半から不動滝周辺で赤目渓谷「幽幻の竹あかり」が始まる。大小1500本余りの竹あかりが幻想的に渓谷を彩る。以前、夏期イベントとして短期間実施されたことはあるが、秋冬の限定イベントとして開催するのは昨年に続いて2回目。

夕暮れとともに点灯される竹あかり。精巧な細工から漏れ出る光が美しい

 竹あかりとは、竹に穴を空けてさまざまなデザインを細工し、その内側から光をあて漏れでる灯を楽しむアートのこと。メインエリアは昨年同様、渓谷のエリア(日本サンショウウオセンターから不動滝)。今年はサブエリアとして森のエリア(小公園から日本サンショウウオセンター)が加わってた。

■放置されている竹林を活用、間伐材で竹あかりを造り、イベントとして公開

竹あかりから漏れる光の造形も楽しい

 「『幽幻竹あかり』は、名張市と名張市エコツーリズム推進協議会が共催する『なばり竹あかりSDGs(持続可能な開発目標)プロジェクト』の一環。竹をテーマに『環境』『社会』『経済』の3つの持続可能な循環を生み出そうとする活動」だと趣旨を説明してくれたのは、NPO法人赤目四十八滝渓谷保勝会マーケティング担当の松崎大治さん。多くの人に関わってもらい、環境保全や地元を改めて知ってもらうことで、地域の活性化し、新たな文化を生み出すのが活動の狙いだという。

 竹あかりの素材は、名張市内の放置竹林を整備した時に出た間伐材。それを同保勝会のメンバーや地元の竹工房「竹雀」ら中心が作品化した。地元の小学生や名張高校で美術を専攻している生徒も竹あかり制作に参加。それらは、赤目自然歴史博物館前に展示されている。古くなった竹あかりは細かく粉砕して、電源目隠しなどに利用するなど、資源の循環の工夫を心掛けている。

 竹あかり会期中は午後8時まで開館。1階ロビーでは、赤目の自然や歴史を解説するパネルを常設展示している。入館無料となっている。
・施設名:赤目四十八滝渓谷
・住所:三重県名張市赤目町長坂67-1
・電話番号:0595-41-1180 (NPO法人 赤目四十八滝峡谷保勝会)

・ホームページURL:https://www.akame48taki.com/

大谷 徳幸(オオタニ ノリユキ)
ネイチャー・フォトグラファー。水中写真やドローン空撮を交えて、三重県を中心とした自然の美をBlogやInstagramなどで内外に紹介している。

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