京都が一年で最も観光客で賑わうのが秋だそうです。皆、お目当ては古都の紅葉。ということで、せっかくなので“京の秋の旅”、紅葉も寺社仏閣も、そしてちょっとだけトレイルも、まるごと楽しんでしまいましょう。
■秋の京都を楽しむ三段活用!
京都の紅葉の見頃は、おおむね11月下旬から12月初旬。この時期、紅葉の名所と呼ばれる定番スポットは人の波が絶えることはありません。
しかし、こんな時でも街の喧騒を離れて一歩トレイルに入れば静かな京都を味わえます。しかししかし、そうは言っても、鉄道会社の広告に取り上げられるような名所は、確かに一見の価値があり、見逃すにはもったいない……。
そんなわけで、今回はどちらも楽しめるように「紅葉旅+寺社巡り+プチ山歩き」を楽しむことにしました。
■さあ山歩き……の前に神様にごあいさつ
まずは山歩きから。
阪急嵐山線の松尾大社駅を起点に、京都一周トレイルの西山コースの南端部分をセクションハイクで楽しみます。トータルおよそ1時間半程度の行程です。
松尾大社の大鳥居をくぐり、造り酒屋の神様にご挨拶した後、左方向の路地を抜けていきます。
すぐに現れるのは月読神社。こじんまりとしていますが、約1500年前に鎮座されたという歴史ある神社です。境内で神様にご挨拶してから再び進みます。
月読神社のすぐ隣には、「鈴虫寺」という名で知られた華厳寺があります。別名の通り、一年中鈴虫の鳴き声が聞こえる禅寺です。
ぜひ鈴虫の声を……と思っていましたが、こちらのお寺は「鈴虫説法」と紅葉でも有名なお寺だけあって、朝から長い行列が。残念ですが山門前のお地蔵様(日本で唯一、草鞋を履いていらっしゃいます。なんと、お地蔵様自ら歩いて願いを叶えに来てくださるから!)に手を合わせてから先を急ぐことにします。
歩を進めると、道の右側にはしんとした森に佇むお寺の敷地が続きます。こちらが有名な苔寺(西芳寺)。
ユネスコ世界文化遺産にも登録されている名高いお寺ですが、鈴虫寺と比べて圧倒的に参拝者が少ないのは、原則として往復はがきによる事前予約が必要だから。気軽に訪れることはできませんが、敷地の外からでも厳かな空気が伝わってきて、いつか必ず計画を立ててお訪ねせねば……と心に誓いました。