各地の山から雪の便りも届き始め、いよいよ冬山のシーズンインだ。スキーやスノーボードなどスノースポーツが好きな人は、この季節を待ち焦がれたことだろう。今年の年末年始はどんな天気になるのか? 12月2日に気象庁が発表した1か月予報から読み解いていこう。

■「ラニーニャ現象」ってなに?

ラニーニャ現象が日本の天候へ影響を及ぼすメカニズム(気象庁ホームページより)

 気象庁によると、現在ラニーニャ現象が発生していると見られ、この先もしばらくは続く可能性が高いと予想している。

※ラニーニャ現象とは、太平洋の日付変更線付近から南米ペルー沖にかけて海面水温が平年より低くなる現象のことで、地球規模でさまざまな天候の影響が出てくる。

 この影響で、上空を吹く強い西風(偏西風)は、ユーラシア大陸東部で北に、日本付近で南に蛇行する。このため、日本付近には寒気が流れ込みやすく、低温・大雪となる可能性が高くなる。

●「エルニーニョ」現象について

エルニーニョ現象が日本の天候へ影響を及ぼすメカニズム(気象庁ホームページより)

ちなみに、エルニーニョ現象とは、ラニーニャの反対で、南米ペルー沖の海面水温が平年より高くなる現象のこと。日本付近では冬に冬型の気圧配置が弱まり、暖冬となる傾向がある。

■12月前半は師走とは思えない暖かさ

昨シーズン、2021年正月にはすでに雪山滑走が可能だった(白馬コルチナスキー場)

 

 たしかに、11月の終盤からは寒気が流れ込み、各地で初雪の便りが相次いだ。立山などではまとまった降雪がもたらされ、SNSではバックカントリースキー・スノーボードを楽しむ人々の様子が飛び交った。そんな状況から、私などは「この冬はスキー三昧だっ!」と思って鼻の穴がふくらんでしまうが、12月2日発表の1か月予報を見ると、寒気の流入にはやや波がありそうだ。

 特徴は、12月前半と後半で大きく変化があると予想されていること。11月後半からの強い寒気の流入はいったん収まり、12月前半は全国的に暖かくなる見込み。冬型の気圧配置も弱いため、日本海側などで雪や雨の降る量も少なくなりそうだ。

■12月後半からは冬らしい寒さに

スキー場には雪を求めて多くのスキーヤー、スノーボーダーが押し寄せる(栂池高原スキー場)

 1か月予報では、12月後半は全国的に気温が平年並みになると予想されている。つまり、ここで冬らしい寒さがやってくるというわけだ。

 1か月予報の対象となっているのは12月31日までなので、年始の予想はまだわからない。しかし11月25日発表の気象庁3か月予報によると、1月以降は西ほど寒気の影響を受けやすい予想となっている。特に西日本は、年明けからは寒くなりそうだ。東日本の気温も、平年並みか低い予想。

 また、冬型気圧配置となって日本海側に雪が降る日も多くなるとされている。いっぽう北日本は、1月・2月は平年並みの寒さとなる。低気圧の影響を受けやすく、雪の量は平年並みに降りそうだ。