今年もサケ(鮭・シロザケ)たちが千歳川にたくさん帰ってきている。「インディアン水車橋」では、水面から全身をのぞかせて幾度もジャンプし、前進しようと泳ぐサケの姿と音が楽しめる。橋上には地元民や観光客が集まり、その迫力に見入っていた。サケ捕獲用の捕魚車(インディアン水車)から次々とサケが飛び出す様子も眺めることができる。
■故郷の川に戻れるのは100匹中1匹だけ!
千歳川で人口ふ化し、放流されたサケの稚魚が親魚になって帰るのは100匹中1匹と言われている。川や海で97匹が命を落とし、沿岸まで帰ってくる回帰率は3%(3匹)。そのうち2匹は沿岸の漁でとられ、川を遡上して戻れるのは1匹いるかいないか。川幅いっぱいを埋め尽くすサケの群れは、危険を掻いくぐり生きて戻った精鋭たちだという事がわかる。傷だらけの個体もいて、胸にこみ上げるものがあった。
■今年はすでに25万匹戻ってきた
千歳川を出たサケは、オホーツク海から北太平洋へ向かい、1歳以降はベーリング海とアラスカ湾を回遊して大きくなる。そこで3-6年ほど過ごし、大きく成長し成熟すると、産卵のために日本へ戻る。今年はその数、すでに25万匹。
2021年の鮭の捕獲数は、雄143,121匹、雌115,802匹、合計258,923匹(10月29日現在)。遡上数は年ごとに増減があるが、昨年2020年度は33万匹を越え多かった(338,082匹)。今年もまだ捕獲は続くため、数は伸びそうだ。
千歳水族館:https://chitose-aq.jp
道の駅「サーモンパーク千歳」:http://salmonpark.com
■生まれた川へどうやって帰るのか?
サケがどうやって故郷の川へ帰るのか、詳しくは解明されていないが、川の匂いを頼りにすると言われている。生まれた場所の水中のアミノ酸を覚えていて、成熟するとそれを辿って戻るのだそうだ。千歳市内の住宅街の横を流れる川に群れをなして遡上するサケたちの逞しい姿は、北海道の自然の豊かさを感じさせた。