■黒バックならさらに効果的!

陰になっている(光が当たっていない)木の幹を背景にした

 さらに背景(バック)が暗いと、メインの被写体と背景のコントラストが際立って効果的だ。透明感や立体感も強調されるし、何を見せたいのかもハッキリとする。

 黒っぽい背景があればいいが、そんなに都合よくはいかないかも。そんな場合でも、山の斜面や太い木の幹、市街地なら塀や壁などが(被写体を逆光で狙うと)黒バックになってくれるケースが多い。カメラを構える前に、周囲をよく観察してみよう。

 逆光テクニックは紅葉以外、新緑でも同じようなことができるし、花でも同様だ。ポートレイト写真でも女性を美しく撮れたりする。透明感が際立つのだ。湯気や煙を撮ったりするときも有効だ。自慢のアウトドア料理などを撮るとき、寒さも手伝って湯気の「シズル感」を演出してみよう。

■カメラを持てば「光の観察」がきっと楽しくなる

 冬に近づくこの時期は、日中でも太陽の角度が低くなっていく。そのため、このテクニックを使いやすい。さらに朝や夕方なら、より低い光となる。さらに色味も赤くなりやすく、印象的なシーンを撮れるチャンスだ。

紅葉も終わり葉が散った森。光を見極めると印象的な写真を撮ることができる

 もちろん、順光やサイド・斜光など他にもいろんな「光」がある。写真を撮るときは「光」を常に意識するとおもしろい。光の当たり方で被写体の表情、写真の表現がまったく変わる。せっかくカメラを持って外に出たら、光を観察して楽しもう!