キャンプ料理のバリエーションにマンネリを感じてきたら燻製料理を始めてみるのもいいかもしれない。
燻製はさくらやヒッコリーなどの木材を不完全燃焼させた際の煙を利用し、食材に独特の香りをつけることを目的とした調理方法である。人は舌以外にも鼻に抜ける香りで食材の味を感じ取っていると言われており、燻製することで全く違った味わいとなる。
燻製と聞くと敷居が高いように感じるかもしれないが、使い捨てスモークボックスを使えば、誰でも簡単に燻製料理を楽しむことができる。自宅では煙くて難しい燻製料理もキャンプならではの一品といえるだろう。
今回はスモークボックスの使い方と実際の手順を紹介していこう。
■燻製の種類
燻製には温燻(おんくん)、熱燻(ねっくん)、冷燻(れいくん)の3種類がある。
温燻は30~60℃程度で食材を温めながら煙を纏わす調理方法で、主にできあがった食材に薫り付けをする目的で使われる。調理時間は数時間~1日程度になり、じっくりと熱を通すことで食材から水分が抜けて長期の保存も可能となる。温燻はウッドチップ以外に熱源が必要ないことも手軽なポイントだ。
熱燻は80℃以上の高温で生の食材に高温を加えると同時に燻して完成させる調理方法で、温燻とは違いウッドチップのほかにもバーナーなどの熱源が必要となる。調理時間は60分ぐらいであり、比較的短時間で完成する。
冷燻は15~30℃程度の低温での長期間燻製方法。外気温との調整で温度管理が必要なため、初心者には向いていない。また、長時間かけて食材の水分を抜くのでドライに仕上がり、長期保存が可能。
今回はスモークボックスでできる、最も手軽な燻製方法の温燻を紹介する。