■缶詰の油を生かす

油がひたひたに入っているのが燻製油漬け缶の特徴

 缶を開けると、今にもあふれそうなほど油がひたひたに入っている。これが燻製油漬け缶のデフォルト状態。缶内を油で満たすことで空気を追い出し、食材の劣化を防いでいるのだ。

 この仕組みのおかげで、保存料や防腐剤を使うことなく、何と4年もの長期保存が可能になっている。すごいぞ、キッパー君! とはいえ、料理の時には油の処理に困ってしまうのも事実。そこで今回は、この油をなるべく捨てずに生かしてみたい。

深めのクッカーに千切りジャガイモと缶の油を入れる

 ジャガイモを千切りにし、深さのあるクッカーに入れて、缶の油を全量注ぐ。こうして見ると、油の量は思ったほど多くないのが分かる。

フライドポテトを作る

 クッカーを弱火に掛けて油を沸騰させ、フライドポテトを作る。ジャガイモが互いにくっつきやすいので、ときおり箸などでかき回すとよし。

 なお、バーナーはガスであってもアルコールであっても、弱火を保つのは難しい。ゆえに、クッカー内の温度が上がりすぎたら、クッカー自体を持ち上げて火から遠ざけ、一旦温度を下げるのが確実だ(この方法はかつてガソリンストーブを愛用していたときに編み出した)。

 ジャガイモがきつね色になったらOK。ジャガイモが油を吸うため、残る油はごく少量になる。それを不要な紙などに染み込ませれば、ゴミとして持ち帰りやすい。