■応用編:運動負荷の大きさを変えてみよう

高い運動強度。歩幅は身長の半分くらい
中程度の強度。歩幅は普段より半歩(足の半分)大きく
低い運動強度。歩幅は普段と同じくらい

 ポールウォーキングでの運動強度の調整は「歩幅」で行う。歩幅をさらに大きくしてみよう。目安は、身長の半分くらいだ。かなり歩幅が広くなるので、足の筋肉はもちろん、関節にも刺激が入り、筋力だけでなく柔軟性もアップしそうな感じだ。

 逆に、歩幅を普段の歩行と同じくらいまで小さくすると、運動強度も小さくなる。中程度の強度をベースに、その日の体調などによって強度を調整すると良いだろう。

■応用編:坂の上り方・下り方

坂を上るときは歩幅を変えずに力強く
下り坂もポールを使えば安定性が高まる

 坂を上るときは、ポールを使って押すように力強く上っていこう。下るときは、やや歩幅を狭くして、かかとから接地すると安全に下ることができる。

■ポールウォーキングの効能、ノルディックウォーキングとの違い

「ポールウォーキング」は、幅広い層の人が簡単に安心安全に行えるウォーキングメソッドとして普及している

 ポールウォーキングは、2006年にスポーツドクター・整形外科医の安藤邦彦氏によって創案された。発想が“医学”のため、元気な人から足腰の弱った人まで幅広い層の人が、簡単に安心安全に行えるウォーキングメソッドとして普及している。リハビリなどにも活用されているそうだ。

 よく混同されることがあるのがノルディックウォーキング。こちらは、フィンランドでノルディックスキーのトレーニングとして生まれたアクティビティ。こちらは“スポーツ”が発想だ。ポールを推進力にして歩くもので、ポールの突きかたや体の使い方も大きく違っている。

 先に説明したように、ポールウォーキングの最終目的は「正しい姿勢での歩行」。

「最終的には、ポールがなくても正しい姿勢を維持して歩けるようになることが目標なんです」と坪井さんが説明してくれるが、姿勢の維持に加えて、全身運動によるフィットネス効果も期待できるとあっては、正しい姿勢が身についたあともポールを持ち続けたくなりそうだ。

 柔軟性や筋力アップ、ダイエット効果なども期待できるというポールウォーキング。普段の生活に取り入れてみてはいかがだろうか。

◆SINANO(シナノ)
1919(大正8)年創業の国産ポールメーカー。長年のスキーポール製造で培った技術を活かし、トレッキングポール・ウォーキングポール・歩行杖なども開発。機能性の高さや使いやすさで、スポーツ業界や介護福祉業界から高い信頼を得ている。
SINANOホームページ
https://sinano.co.jp/