トレッキングスキーではお馴染みのポール(ストック)。日常の「歩行」にポールを取り入れることで、高い運動効果を狙うのが「ポールウォーキング」だ。最近は、ダイエットやフィットネス目的のほか、足腰が弱い人のリハビリとしても注目されている。そんな「ポールウォーキング」を体験すべく、講習会に参加してみた。

■日本ポールウォーキング協会主催の講習会へ

講師の坪井史治さん

 今回お邪魔したのは、長野県佐久市にあるポールメーカー「SINANO(シナノ)」本社。教えてくださるのは、シナノの社員でもある「日本ポールウォーキング協会マスターコーチプロ」の坪井史治さんだ。 「今日は天気も良いし、まずはポールウォーキングを実践してみましょう」と坪井さん。ポールウォーキングでは、両手に2本のポールを持つ。さっそくウォーキング用ポールを手に取って、外へ出てみた。

◆一般社団法人 日本ポールウォーキング協会
ポールウォーキングを核とする健康サービスの新たなコミュニティビジネスを創出・展開し、地域社会の問題解決に貢献することを目的として設立。ポールウォーキングの普及・啓発・教育活動を通じて、国民の心身の健康の維持増進を図るため、さまざまな事業を展開している。
https://polewalking.jp/

■専用ポールの特徴は?

ポールウォーキング専用のポール。SINANO/レビータ ネクスト

 SINANOでは、ポールウォーキング専用のポールを開発し、販売している。その大きな特徴は以下の3つだ。

1. 長さを調節できる
2. 持ちやすい形状のグリップ(持ち手)とストラップ(手を通す部分)
3. 坂道や濡れた路面でも滑りにくい先端ゴム部分

シャフトに適応身長が書かれているので長さ調節は簡単
ストラップには左右が明記されている
先端のゴム部分は雨でも滑りにくく安全性が高い

 長さを調節するには、ポールの上部と下部をひねるモデルのほか、クリップで留めたり緩めたりするモデルがある。また、グリップを握らなくても簡単にポールが落ちないよう、ストラップが工夫されているので便利だ。 講習会では専用ポールのレンタルもできる(有料)。トレッキング用のポールでも使えない訳ではないそうだが、せっかくなので、ウォーキングに適した工夫がされている専用モデルを借りてみるのをおすすめしたい。

使用モデル:SINANO/レビータ ネクスト
【スペック】
対応身長135-190cm 使用サイズ85-120cm 収納サイズ85cm
重量約220g(片方) 材質アルミ合金 カラー全5色 価格9500円(税別)

■まずは歩く準備から

ポールの長さを調節する

 まず最初に、ポールの長さを調節する。ポールを垂直に地面に立て、腕を直角に曲げたときにグリップ上端に小指が載る高さが目安となる。長さを合わせたら、トントンと軽く地面に突いてみて、きちんと固定されているか確認しよう。

「ストラップに手を通したら、親指と中指、薬指でグリップ(持ち手)を軽く握ってください。人差し指や小指は添えるだけです」と、坪井さんが持ち方を教えてくれる。なお、ギュッと強く握るのはNG! 強く握ると、血圧が上がったり、腕の筋を傷めたりするリスクがあるそうだ。

準備体操でもポールを使うことで良い効果が

 次は準備体操だ。ポールウォーキングは全身運動なので、歩き出す前に、体をしっかり伸ばしておきたい。ポールを使って行うことで、左右均等に負荷をかけ、力を入れて行うことができるのも利点。何も使わない時よりも運動強度が高まったのか、体操が終わった時にはうっすらと汗ばむほどだった。