また今年も蒸し暑い夏がやってきました。この季節になると暑さを避けて標高の高い山を訪れたくなるものです。そんな山の頂付近で「シューッ」と大きな音を立てて超高速で飛んでいく細長い翼の鳥を見たことはありませんか。それがアマツバメです。
アマツバメは高山や海岸の断崖で営巣します。集団で子育てをする小さな島が静岡県にあると聞き、訪れることにしました。
■集団営巣地となるアウトドアスポット「城ヶ崎海岸」の燕島(つばくろじま)
富士山を含む大自然が魅力な富士箱根伊豆国立公園の中に、伊東市の「城ヶ崎海岸」があります。付近の大室山(標高580m)が約4000年前に噴火した時の溶岩によってできた壮大な景観が人気で、高さ23mから見下ろすと足がすくむほどの「門脇つり橋」は、一年間を通して多くの観光客でにぎわいます。また、360度の大展望が楽しめる「門脇埼灯台」や、「ピクニカルコース」や「自然研究路」といった散策路も整備されており、ファミリーでも存分に楽しめるアウトドアスポットとなっています。
城ヶ崎海岸の先端にある小さい島が燕島。アマツバメ集団生息地として伊東市の天然記念物にも指定されている場所です。
■アマツバメとは
アマツバメは、「ツバメ」と名のつくものの、ツバメとは遠縁のアマツバメ目(もく)に属する野鳥です。ちなみに身近なツバメはスズメ目。少し難しい話にはなりますが、「目」の違いは、進化の過程では、約5000万~8000万年以上前にはすでに起きていたとのこと。実は、アマツバメはあのハチドリと近縁の野鳥なのです。
アマツバメは、「カマツバメ」という別名があるように、鎌型の細長い翼が特徴です。春に日本に渡ってきて、高山や海岸の断崖で繁殖をします。北アルプスなどで見かけた方も多いのではないでしょうか。
城ヶ崎海岸では、約500羽のアマツバメが集まってくるとされています。繁殖数ではもっと多い場所もありますが、間近に観察できる場所としては日本有数の場所として有名なようです。私が訪れた時も、常に頭上にアマツバメの姿があり、時に頭をかすめるようにカッ飛んでいくこともありました。しかも、その群れは常に流動的で、散らばったり急に集まったりしてアメーバのように変化し続けるため、観察していた4時間の間、筆者は全く飽きることがなく一か所に座り込んで上空を眺めていました。