夏の日差しが照りつける里川で、小型のルアーに果敢にアタックするカワムツ。そんな身近な淡水魚を狙う「チャビング(Chubbing)」が近年注目を集めている。身近な河川で気軽に楽しめるうえ、小型魚とは思えない力強い引きや、美しい婚姻色をまとった魚との出会いが魅力のルアーフィッシングである。エリアトラウト(管理釣り場のマス釣り)を楽しんでいる人なら、手持ちのタックルやルアーを流用して始められるのも大きな魅力だ。
今回訪れたのは、栃木県を流れる利根川水系思川(おもいがわ)支流の姿川(すがたがわ)。真夏の里川では、婚姻色が美しいカワムツやオイカワが次々とルアーに反応し、軽快なゲームフィッシングを楽しませてくれた。この記事では、初心者でも挑戦しやすいチャビングの魅力や釣り方、実釣の様子を紹介する。
■チャビングとは? 身近な淡水魚をルアーで狙う人気の釣り
チャビング(Chubbing)という名前は、ヨーロッパの淡水魚「チャブ(Chub)」をルアーやフライで狙う釣りに由来するとされる。チャブは、日本のカワムツやオイカワと同じコイ目に属する淡水魚である。日本にチャブは生息していないが、その釣り方にならい、身近な淡水魚を小型のルアーやフライで狙うスタイルを「チャビング」と呼んでいる。
今回のターゲットであるカワムツは、河川の中流域や農業用水路など身近な水辺にも生息するコイ科魚類で、成魚は10~20cmほどに成長する。春から夏の産卵期にはオスが鮮やかなオレンジ色の婚姻色をまとい、小型魚とは思えない美しさを見せることでも知られている。
使用するタックルは、小型ルアーを扱えるライトタックルが基本だ。1000番程度のスピニングリールに、ロッドはエリアトラウト用や渓流トラウト用を組み合わせるのがおすすめ。また、ブラックバス用のライトロッドでも十分流用できるため、新たに専用タックルを用意しなくても始めやすい釣りである。
■思川支流・姿川へ。身近な里川にあるチャビングの好釣り場
今回訪れた思川支流の姿川は、市街地にも近い田園地帯を流れる里川だが、カワムツやオイカワをはじめ、多くの淡水魚が生息する自然豊かな河川である。
この日は、流れが緩やかな水深1mほどのトロ場を中心に探った。所々に流れ込みや反転流ができる場所もあり、このような場所には小魚が集まりやすく、カワムツもエサを待ち構えていることが多いため、狙い目となる。
今回筆者は姿川沿いに点在する河川公園の近くから入川。こうした場所は駐車場が整備されていることが多く、土手の遊歩道から河原へ下りる動線も確保されている。さらに、夏草が刈り払われていて川へエントリーしやすい場所も多いため、ポイントを移動しながら魚を探る機会の多いチャビングには好都合と言える。
■小型スピナーに好反応。婚姻色が美しいカワムツ&オイカワが次々ヒット
今回使用したルアーは、重さ2gの小型スピナー。チャビング用として販売されているもので、リールの巻き始めからスムーズにブレードが回転し、フラッシング(光の明滅)と波動で魚に強くアピールしてくれる。ハリもカワムツの大きさに合わせた小型のものがセットされており、そのまま使える手軽さも魅力だ。
まずは流れ込みの脇へルアーをキャストし、ブレードがしっかり回転する速度を意識しながら一定のスピードでリールを巻いていく。すると開始間もなく、「コツン」と小気味よいアタリが伝わった。慎重に寄せてくると、水面に姿を現わしたのは鮮やかな婚姻色をまとったカワムツ。小型魚とは思えない力強い引きでロッドを曲げ、チャビングならではの楽しさを存分に味わせてくれた。
その後も流れ込みや反転流を丁寧に探っていくと、カワムツが次々とヒット。時折、青や赤の婚姻色が美しいオイカワも交じり、目でも楽しめる釣りとなった。さらに、丸々と太った手のひらサイズの良型カワムツも飛び出し、身近な里川とは思えないほど充実したゲームフィッシングを満喫することができた。
筆者が使用したタックルと道具は以下のとおりである。
【使用タックル】
ロッド:エリアトラウト用のスピニングリール竿(ウルトラライト)1.8m
リール:エリアトラウト用のスピニングリール1000番
ライン:ナイロンライン6ポンド(1.5号)
ルアー:チャビング用の小型スピナー(2g)、他にエリアトラウト用の小型スプーン(2g前後)もおすすめ
【あると便利な道具】
長靴:水辺を歩く際にあると重宝する
水汲みバケツ:釣った魚を生きたまま一時的に入れておくもの
観察水槽:釣った魚を横から観察できる
虫よけグッズ:夏場は虫が多いため必須
日よけの帽子&日焼け止めグッズ:川岸で日陰がない時の必須アイテム
タオル:濡れた手を拭くために使用
ライフジャケット:水難事故防止の必須アイテム