近年、人里で姿を現すようになったツキノワグマ。今年になって市街地での目撃情報がさらに増えてきているようです。また、マダニが媒介するウイルス感染症患者が過去最多ペースで増え続けているというニュースも流れてきました。
そのようないわゆる“危険生物”への関心が高まる中、ハチたちの活動も活発になってきています。軒下や庭木にアシナガバチが巣を作って困った、という経験がある方も少なくないはず。そんな時、皆さんならどう対応しますか?
■自宅の狭い通路にアシナガバチが巣を作った
初夏。自宅の狭い通路に植えてあるバラの木にアシナガバチが巣を作りました。しかも2個です。我が家は、これまで基本的にはハチにはフレンドリーな対応をしていて、危険ではない場所ならば営巣を黙認するという方針で臨んできました。しかし、今回は、バイク置き場にもなっている細い通路の、しかも頭の上30cmほどの場所に巣を作ったのです。ハチと人間のお互いの幸せを考えると、さすがに見逃すわけにはいきません。
けれども、冬眠から目覚めた女王バチが一匹で巣を作り、懸命に子育てをする姿を見ると、簡単に巣を落とす気にはなれません。そこでいろいろと調べてみると、ハチの巣を安全な場所に“引っ越し”させる解決策があるらしいことがわかりました。
東京都の郊外に住んでいる筆者は、近隣に家庭菜園をお借りしていて、その場所であれば、周囲の方の理解を得ながらアシナガバチが暮らすエリアを確保できそうです。
我が家に巣を作ったのは、攻撃性が高いとされる「キアシナガバチ」と比較的穏やかな「キボシアシナガバチ」の2種類です。しばらく様子を見ていると、キボシアシナガバチの巣の表面にレモンイエローの膜が張られました。幼虫がさなぎになったのです。さなぎが羽化して働きバチとなったら刺されるかもしれません。そこで、巣があまり大きくならないこの時期に、ハチの巣の引っ越しをすることにしました。
■引っ越し作戦開始! 女王バチの神対応にビックリ
ハチの巣の引っ越しをするには、まず、女王バチをハチの巣ごと“一時捕獲”する必要があります。ビニル袋を広げて巣にとまっている女王バチごと優しく包みます。驚いたことに、女王バチは飛び立つことも全くなく、おとなしく確保することができました。ドキドキしながらの作業でしたが、あまりのあっけなさに拍子抜けするほどでした。
この数日後、キアシナガバチの引っ越しも行ったのですが、そちらの女王バチも同様に神対応で、筆者を困らせることは一切ありませんでした。「女王バチは大きくて超危険」とのイメージをもっていた筆者ですが、それは誤解だったことがわかりました。
ビニル袋の中でも、ハチの巣にくっついて幼虫やさなぎを守る女王バチの強い気持ちに感心することしきりです。しかし、それではことが先に進みません。ビニル越しに、指で女王バチとハチの巣をそっと離れさせました。