夏が近づくにつれて、瀬戸内海の堤防や岩場で釣れる高級魚がいる。それが「キジハタ(アコウ)」だ。
オレンジ色の魚体に、手元に伝わる明確なあたり、強烈な引き。そして、上品な白身は食味も抜群。釣り人の間では夏の高級魚として人気が高いターゲットである。
一見すると難しそうに思える魚だが、瀬戸内海では堤防や漁港周りでも狙うことができる。船釣りだけではなく、身近な場所から楽しめるのも魅力のひとつだ。
今回は、これからシーズンを迎えるキジハタについて、瀬戸内海を中心に「釣れる時期」「狙いやすい時間帯」「使用するタックル」「ポイント選び」などを紹介していく。
■キジハタとは?
キジハタはハタ科に属するロックフィッシュの一種で、西日本を中心に人気の高い魚だ。地域によっては「アコウ」「アズキハタ」などと呼ばれることも多い。特徴的なのは、オレンジから赤茶色の魚体に入る斑点模様。見た目にも美しく、釣り上げた時の存在感は抜群である。
また、引きの強さもキジハタの魅力だ。ヒット直後は一気に根へ潜ろうとするため、サイズ以上に力強いファイトを見せてくれる。食味のよさでも知られており、刺身や煮付け、塩焼きなどさまざまな料理で楽しめる。クセの少ない白身で、火を通しても身が崩れにくく、家庭でも扱いやすい魚だ。
瀬戸内海では防波堤や漁港、ゴロタ浜などから狙えることも多い。近年はルアーフィッシングで狙う人も増えており、今からの季節の人気ターゲットになっている。
■瀬戸内海での釣れる時期や時間帯
瀬戸内海でキジハタが釣れ始めるのは、水温が上がり始める5月頃から。そこから夏にかけて活性が高くなり、特に6月〜9月頃がハイシーズンとなる。真夏の日中でもまったく釣れないわけではないが、瀬戸内海で特に狙い目となるのは、朝夕のマヅメ時や夜の時間帯だ。
キジハタは岩陰や障害物周りに身を潜めていることが多く、暗くなるとエサを求めて動き回る。特に潮通しのよい堤防では、夜に思わぬサイズがヒットすることもある。また、潮が動くタイミングも重要だ。潮止まりよりも、潮の動き始めや潮がしっかり流れている時間帯の方が反応は出やすい。
瀬戸内海は干満差が大きいため、釣行前に潮汐表を確認しておくと釣りがしやすくなる。
■使用するタックル
キジハタ狙いでは、比較的固めのロッドとベイトリールを使用することが多い。ベイトリールを使うのは巻く力が強く、太いラインを使用できるためだ。ロッドは7〜8フィート前後のミディアムヘビークラスのロックフィッシュロッドやバスロッドなどが扱いやすい。
ラインはPE1〜2号前後に、リーダーはフロロカーボンの20lb〜25lb程度を組み合わせる人が多い。なお、キジハタは根に潜る魚なので、細すぎるラインだと根ズレで切られてしまうこともある。ある程度強めのセッティングを意識したい。
使用するリグ(針、オモリ、ワームを組み合わせた仕掛け)は、テキサスリグやフリーリグが定番だ。テキサスリグはバレットシンカー、ビーズ、フックで構成されることが多く、シンカーの形状で根がかりに強いため使いやすく、近場の石積みなどの障害物を狙うのに適している。
フリーリグは、シンカーが固定されないため、シンカーが先に沈み、その後に時間差でワームが沈んでいく。ワームだけで沈んでいくので違和感なく魚に口を使わせることができる。またテキサスリグよりも同じウェイトであれば空気抵抗が少なく飛ばしやすいため、岸から離れた場所にあるポイントを釣るのに適している。
スピニングタックルも使用するが、その際はジグヘッドリグを使用して中層から少し下の層を巻いて釣る時が多い。