ロックフィッシュ(岩礁帯や海藻の隙間を棲家とする魚)の中でも高級魚とされる「キジハタ(アコウ)」は6月頃からハイシーズンを迎える。キジハタの生息域は本州中部以南とされ、かつては「幻の魚」とも呼ばれたが、実は身近な堤防からでも十分に狙うことができるターゲットだ。

 キジハタ釣りは一見するとハードルが高そうに思えるが、ポイント選びと仕掛けを絞り込むことで、初心者でも「最初の1匹」を手にできる可能性は非常に高い。本記事では、ルアーで狙うキジハタ釣りのノウハウを解説する。

■強烈な突っ込みと食味のよさ。キジハタ釣りが熱い理由

堤防だけでなく岩場でも狙えるキジハタ釣り

 キジハタ釣りの最大の魅力は、その「強烈な突っ込み」にある。筆者が初めてキジハタを掛けた時の衝撃は今でも忘れられない。カサゴやメバルとは明らかに違う、リールのドラグを鳴らしてラインを引き出すような力強い突っ込みで、油断すれば一瞬で根に潜り込まれてしまう。この「掛けた瞬間に勝負が決まる」ヒリつくような緊張感こそが、釣り人を虜にする。

 また、食味のよさも特筆すべき点だ。透き通った白身は、刺身にすれば上品な甘みが広がり、煮付ければプリッとした弾力が楽しめる。自分で釣り上げた魚が「高級料亭の味」へと変わる瞬間は、釣り人だけに許された最高の贅沢と言えるだろう。

■堤防でキジハタが好む隠れ家を探す

 キジハタは、アジのように広い海を回遊しているわけではない。彼らは常に「隠れ家」に身を寄せ、目の前を通る獲物を虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。

 初心者がまず意識すべきは、堤防の中でも「変化」がある場所だ。筆者がポイントを見極める際、特に重視しているのは以下の3点である。

●足元の基礎石周り、海藻の際

堤防周りは変化が多く、意外と一級ポイントになりうる

 遠投する必要はなく、意外にもキジハタは堤防のすぐ足元、基礎石の隙間や海藻の際に潜んでいることが多い。筆者の経験上、良型ほど足元の暗がりに潜んでいる傾向があり、想定以上の大物が足元でヒットすることもある。

●消波ブロック(テトラポッド)の「切れ目」と「ポケット」

消波ブロックの隙間にも良型のキジハタが潜んでいる

 キジハタにとって消波ブロックは巨大なマンションのようなものだ。特にブロックが途切れる境目や、奥深くへと続く「ポケット(穴)」は一級ポイントになる。なお、消波ブロックは足場が不安定で転落・落水のリスクがある。こういったポイントに限らないが、海での釣りではライフジャケットの着用が大前提。釣行時は場所を問わず必ずライフジャケットを着用し、濡れた面には乗らないように注意しよう。

●潮が動きやすい角や出入り口

キジハタは港内の角でエサが通るのを待ち構えていることが多い

 港内の角や、潮がダイレクトに当たる先端付近は、エサとなる小魚が溜まりやすい。日中、魚の活性が低い時ほど、こうした潮通しのよい場所が突破口になる。こういった場所は狙う人が多いが、空いていれば積極的にルアーを通すのがおすすめだ。