船釣りデビューを控える初心者にとって、大物狙いへの期待がふくらむ反面、初心者が乗り合わせたことで「常連さんに怒られないか」「迷惑をかけないか」という不安はつきものだ。

 限られたスペースを共有する遊漁船では、自分ひとりの勝手な行動が周囲とのライントラブルや、最悪の場合は人間関係の悪化に直結してしまう。 今回は、初心者が無意識のうちにやってしまいがちな4つの「NG行動」と、1日を平和に過ごすための暗黙のルールを徹底解説する。

■道具の勝手な選択はNG。ラインやオモリは「船宿のレギュレーション」に従う

 乗合船で船釣りをする場合、道具の勝手な選択はNGだ。ラインの太さやオモリの重さについては、船宿のホームページや予約時に、釣行海域の水深や潮の速さに合わせた推奨タックル(号数・重さ)が案内されるので、それに従うことが鉄則になる。

 なぜこのように同船者全員がラインやオモリを揃えるルールがあるのかというと、船釣りで最も避けたいトラブルである「オマツリ」を引き起こさないためである。                  

 オマツリとは、隣の人と釣り糸が絡み合うことをいう。筆者のホームグラウンドである明石海域は、特に潮流が速いことで知られている。もしそうしたところで指定より太いラインを使ったり、軽いオモリを使ったりすると、自分だけ潮の抵抗を余計に受けて仕掛けが流され、隣の人や対舷側の人のラインと致命的なオマツリを発生させてしまいがちだ。

 「少しでも細い糸で釣りたい」「手首が疲れるから軽いオモリがいい」といった個人のこだわりは一旦捨て、船宿のレギュレーションに従うことが、トラブル回避の絶対条件である。

釣行海域の水深や潮の速さに合わせて推奨されるラインの太さやオモリの重さを事前に確認することが重要

■船長の指示は絶対。「落として」「上げて」のタイミングを守らないと残念な結果に

 船の上では、船長の指示は絶対だ。船釣り初心者はご存じないかもしれないが、釣り船ではポイントに到着すると、船長からマイクで「はい、落として(仕掛けを入れて)」「上げて(回収して)」といったアナウンスが流れる。この仕掛けを投入・回収するタイミングの指示に従わないと、残念な結末になりがちだ。

 船は海の上に固定されているわけではなく、風や潮の影響で常に動き続けている。船長は魚群探知機などを駆使し、ピンポイントで魚の群れの上に船をつけて「はい、落として」と合図を出す。 タイミングを逃すことは、せっかくのチャンスを棒に振る行為だ。

 筆者は初心者の頃、仕掛けの交換に手間取って投入が遅れ、その間に隣の人にばかり大物を釣り上げられて悔しい思いをした経験がある。 また「上げて」の合図は「ここにはもう魚がいない」または「ポイントを移動する」という意味である。自分の判断で粘らず、素早く仕掛けを回収して次のポイントへ向かう協調性が求められる。

船長から「落として」の合図が出るまでは我慢が必要