初夏になって海水温が上がり、いよいよ釣りのハイシーズンが開幕する。「週末は家族や友人とサビキ釣りに行こう」と計画している方も多いのではないだろうか。

 しかし、いざ釣り場に立つと「回遊のアジが回ってこない……」「掛かっても本命以外の小さな外道ばかり……」なんてことに直面することも珍しくない。

 今回は、そんなサビキ釣りのピンチをある裏技で乗り越え、38cmのウマヅラハギを筆頭に高級魚をゲットした実釣レポートをお届けする。最後には、せっかくの大物を美味しく食べるための「絶対に忘れてはいけない教訓」も紹介。これを読めば、次の週末の釣果がガラリと変わるはずだ。

初夏の晴天に恵まれた堤防。新しい釣り場の開拓に期待が膨らむ

■2時間「本命のアジの気配なし」で、場所と仕掛けを変更

 今回の釣行ではアジの回遊を期待して、初めて訪れる波止の先端に釣り座を構えた。貸し切り状態で期待に胸を膨らませて第一投を投じる。

 しかし、海面に見えたのは、エサ取り外道であるスズメダイの大群であった。どこに落としてもスズメダイばかりが激しく突いてきて、2時間粘っても本命のアジの気配はない。

せっかく掛かってくれても小型の外道ばかりだとガッカリする

●1. 潮通しの良い先端から、穏やかな「湾内の桟橋」へ移動

 「これはいけない」と判断し、波止の先端を諦め、湾内にある静かな桟橋へと移動した。

 魚の活性が高いときは波止の先端が有利だが、エサ取りがあまりに多いときは、思い切って「湾内の桟橋や淀み」に移動してみよう。ウマヅラハギなどは、こういった構造物の周りや、少し潮の緩やかな場所に群れで居着いていることがよくある。

●2. 仕掛けの工夫:「オキアミのチョイ掛け」

 「オキアミのチョイ掛け」は、ピンクや白の皮がついたサビキ仕掛けの疑似餌に、エサのオキアミを小さく針掛けすることだ。オキアミをチョイ掛けすることで、サビキ針では釣りにくい魚もターゲットにできるメリットがある。

 3~6本もあるサビキ針にエサをつけるので釣りの手返しは悪くなるが、ポイントを様子見する段階では、おススメの釣り方だ。

 今回はハリ先に付けるオキアミをちぎって小さくした。ウマヅラハギやカワハギは「エサ取り名人」の異名を持つほど、エサだけをかじり取るのが上手い。「尾っぽ」や「頭」を外した小さなオキアミをつけることで、針掛かりを良くする作戦である。

サビキ針にオキアミのカケラを「チョイ掛け」し、食い渋る大物を誘い出す

●3. 置き竿で同調を狙う

 仕掛けを海に投入した後は、置き竿で待つ。竿を下手に動かしすぎると、警戒心の強い大物は見切って逃げてしまうことがあるからだ。置き竿にすることで、上カゴからポロポロと少しずつ落ちるオキアミと、ハリに付けた小さなオキアミが同調する(馴染む)のを狙える。

場所を湾内の桟橋に移動。仕掛けを同調させるため、置き竿でアタリを待つ

 数分後、静かだった竿先が、突如「ギューン!」と海面に突き刺さった。

竿を大きく曲げて上がってきたのは、38cmの丸々と太った見事なウマヅラハギ!

 慎重に巻き上げると、上がってきたのはなんと38cmの良型ウマヅラハギであった。さらにその後、20cmを超えるカワハギも続けてゲット。仕掛けを工夫し、自然にエサを漂わせたことが、報われた瞬間だった。

持ち帰って再計測。38cmのウマヅラハギと、20cm超のカワハギ