週末の釣行日、天気予報が雨だと「せっかくの休日なのに」と諦めてしまう人は多いだろう。しかし、釣りにおいて雨は必ずしもマイナス要素ではない。雨粒が水面を叩く波紋や濁りが“カーテン”の役割を果たし、魚の警戒心を薄れさせるからだ。

 筆者自身、雨の日の釣果として印象的なのは、短時間かつ1か所で数が釣れる点と、キジハタの平均サイズが大きくなる点だ。過去に釣り上げたキジハタの最長サイズトップ3のうち、2本は雨天時の釣果である。晴天時に比べて雨の日の釣行回数が圧倒的に少ない事実を考慮すれば、いかに高確率で良型が釣れるかがわかる。

 さらに、人気ポイントでも他の釣り人とバッティングしにくく、自分のペースで探れるメリットもあると感じている。とはいえ、無策で水辺に立てば不快感に耐えるだけの修行と化すだけでなく、危険も伴う。

 今回は、雨天を絶好の好機に変える客観的な判断基準と、快適な釣りの助けになる装備・釣行の知恵を解説する。

■家を出る前に決める「GoとNoGoの基準」

釣行の前には天気予報の確認が欠かせない

 現地に行ってからの判断になると「せっかくきたのだから、少しくらい……」と、普通なら釣りを避ける天候でも決行してしまいがち。だからこそ、まずは家を出る前に天気予報の数値で釣行の可否を判断しよう。

 降水量が1時間に1mmは傘が必要なレベル、3mmは完全に本降りのレベルだ。視界不良や寒さに加え、仕掛けが飛ばずアタリも感じないなど、雨が強くなればなるほどストレスを感じやすい。

 そのため、足場の状態がよく分からない初めて行く場所や、緊急時の対応がイメージできないなど、 不慣れなうちは3mmの予報で釣行を控えるべきだ。2mmでも強風や足場が悪い場合は落水リスクが高まるため推奨しない。

 筆者はYahoo!天気とウェザーニュースを見比べ、より厳しい数値を採用している。差が大きい場合は雨雲レーダーも併用して最終判断するなど、安全には十分に配慮している。

 そのため、雨天での釣りが未経験なうちはもちろん、経験者であっても「3mm以上の雨が継続、または強まる予報」であれば釣行は控えるべきだ。たとえ3mm未満の予報であっても、風速2m/s以上の場合は、落水リスクが格段に高まるため行かないようにしよう。

■体力を奪う「蒸れ」を防ぎ、準備を時短する道具選び

 釣りに行くと決めたなら、雨によるストレスや道具へのダメージを減らす工夫が不可欠だ。

●最小限の装備で機動力を保つ

ロッドホルダー付きバッカン

 普段使っている大容量のタックルボックスは、開閉時の浸水によって帰宅後に乾燥の手間がかかってしまう。

 そこで筆者は厳選した荷物を“ロッドスタンド付きバッカン(撒き餌を混ぜたり、道具や水を運んだりするための四角い防水ケース)”に入れて行く。

 ロッドスタンドがあることで、大切なタックルを雨の跳ね返りによる砂などから守ってくれる。バッカン内部は防水ケースやチャック付き保存袋で小分けにし、魚が釣れた場合には車にあるクーラーに入れるまでの一時ストック場所として、袋に入れて空きスペースに入れている。

●レインウェアは「スペック」で選ぶ

 安価なビニール製は結露で体を冷やすため、快適な釣りのためには”透湿防水素材”が望ましい。濡れた場所に座ることも想定し、耐水圧10,000mm以上かつ透湿性10,000g/m2/24h以上を基準にすると不快感を激減できる。

●車内を汚さないスムーズな撤収

 釣行後の片付けも見据え、車に防水シートやランドリーバッグを積んでおきたい。濡れたバッカンやドロドロのレインウェアをそのまま放り込めるため、車内を汚さず素早く帰路につける。現場でのちょっとした工夫が、雨天釣行のハードルを大きく下げてくれるのだ。