富士山に登ってみたい。でも、「混雑している」「景色の変化が少ない」といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
富士山には4つの主要な登山ルートがあります。なかでも、私がおすすめしたいのは、静岡県の富士宮口を起点にする「プリンスルート」と「御殿場ルート」を組み合わせた周回コースです。健脚な方なら日帰りで歩くことができ、他のルートほど混雑せず、富士登山をのびのびと楽しむことができます。
このルートを歩くたびに思うのです。「富士山って、こんな山だったんだ」と。遠くから眺めるだけではわからない、荒々しく力強い富士山がそこにはあります。
■スタートから標高は2,400m超え。飛ばしすぎに注意
さあ、富士宮五合目から富士山登山をスタートしましょう。私が登った日は快晴無風。雲ひとつない青空が広がっていました。
富士山登山で大切なのは、自分が思うよりもゆっくり歩くこと。富士宮は登山口の標高が2,400mを超えているため、最初から飛ばしすぎるのは禁物です。五合目から20分ほどで六合目に着きますが、ここで一度休憩を入れることをおすすめします。
富士山の登山道は、岩と砂礫が続く単調な景色。しかし、このルートはときどき振り返ってみると、標高を上げるにつれて雲海や駿河湾が広がり、「こんなに登ってきたんだ」と実感できます。
標高3,000mを超えると、普段から山を歩き慣れている私でもペースが落ちます。焦る必要はありません。立ち止まって景色を眺めながら、一歩ずつ進んでいきます。
そうして歩き続けること、約5時間。富士宮口山頂に到着しました。ここには浅間大社奥宮があり、参拝やおみくじを楽しむことができます。ただし、ここはまだ富士山の最高地点ではありません。少し休憩したら、日本最高地点である剣ヶ峰へ向かいます。
富士宮口山頂から剣ヶ峰までは、約20分。最後には急なザレ場がありますが、その途中からは富士山の火口を見下ろせます。ここを歩くたびに何度も足を止めてしまいます。「なんてかっこいいんだろう」と思うんです。
最後の登りを越えると、やっと標高3,776mの剣ヶ峰に到着します。これまで6回富士山に登っていますが、日本で一番高い場所に立つ瞬間の特別な気持ちは、何度味わっても変わりません。
■下山は、まず御殿場ルートを使う
剣ヶ峰での時間を楽しんだあとは、お待ちかねのお鉢巡りです。
富士山の火口をぐるりと囲むように歩くこのコースは、ぜひ体験してほしいところ。山梨県側の景色も眺めながら、約1時間半かけて火口を一周します。
今回はまっすぐ富士宮口へは戻らず、御殿場ルートで下山し、途中からプリンスルートを使って富士宮口に戻ります。
下山の道中のお目当ては、八合目にあるわらじ館のカレーです。このカレー、知る人ぞ知る、富士山名物。従業員の方に「なぜそんなに人気なんですか?」と聞いてみても、「野菜をたっぷり入れているからかな」「愛情を入れているからかな」と首をかしげるんです。