ホタル(蛍)と言えば、夏の風物詩として親しまれる人気の昆虫だ。その人気の理由は「光る」というユニークな習性を持つためだろう。

 ところが、じつはホタルにはさまざまな種がおり、光らないものもいる。いや、むしろ光らないものの方が多いのだ。

 そんな光らないホタルたちも、知られていないだけでおもしろい姿や生態を持つ魅力的な虫ばかり。というわけで、身近で見られるさまざまなホタルたちを紹介しよう。

■光るホタルといえば、ゲンジボタルか、ヘイケボタル

 まずは多くの人がイメージする”光る”ホタルについて紹介しよう。光るホタルもさまざまな種がいるが、沖縄や離島を除く地域で代表的な光るホタルと言えば「ゲンジボタル」「ヘイケボタル」だろう。

 ゲンジボタルは日本にのみ生息する大型のホタルで、胸部の鍵マーク模様が特徴的だ。発光間隔には地域差があることが知られており、1〜4秒間隔があるようだ。林縁の「小川」のような流水環境を好む。

光る蛍といえば、ゲンジボタル

 ヘイケボタルはゲンジボタルよりも一回り小さい。発光も弱く、それが源氏・平家の関係になぞられて命名されたという説が有力だ。姿がゲンジボタルによく似ているが、ヘイケボタルは胸部の模様が真っ直ぐ。また、ヘイケボタルは「水田」や「湿地」のような止水環境を好むという点もゲンジボタルと異なる。

もしくは、ヘイケボタルだろう

■ホタルはなぜ光るのか?

ゲンジボタルの発光

 光るホタルは初夏の夜、僕たちに幻想的な光景を見せてくれるが、ホタルが光る理由は何だろうか?

 大きく以下の2つの理由が考えられている。

1:成虫が光る理由 = オスとメスが出会うため

2:幼虫が光る理由 = 外敵に対する警告(防御)のため

 僕たちがホタル鑑賞で主に見ている光は1。夜になると、オスは発光を繰り返しながら葉の上などにとまっているメスを探す。オスはメスに近付くと発光による交信を行い、うまくいけばカップル成立となる。成虫のホタルにとって、発光は”世代を繋ぐための大切な営み”なのである。