「オキアミで煙幕をつくるんや」―
なにかの合言葉だろうか? いや、豆アジを釣るコツである。
夏から秋の明石海峡では豆アジや小サバ、チャリコ(マダイの幼魚)などがよく釣れる。釣り公園の釣果サイトを見ても、連日豆アジ100匹以上、小サバ100匹以上と景気のよい情報が連なっていた。
…… ぜひとも便乗したい!
2月、3月ともボウズに敗した筆者の釣りログだが、今度こそ三度目の正直で釣れる気がする!
■「水温が高くなった」 30℃ほどの瀬戸内海にいざ
今回もチャレンジ場所に選んだのは、神戸市の須磨海づり公園。施設の人や釣り場のベテランの人が優しく、初心者に釣りのコツなどを教えてくれる。
3月にボウズだったときは「もっと水温が高くならなあかん、夏にあらためておいで」とアドバイスをいただいた。変温動物である魚は人間よりも温度変化に敏感で、1℃の水温差でも釣れる魚が変わるそう。そして筆者のような「何でもいいから魚を釣ってみたい」という人間は、明石海峡では魚の活性が上がる夏場の方がよいそうだ。
■「釣れない……」 隣のキッズと私、何が違うの?
朝7時半に山陽電車須磨浦公園駅すぐの須磨海づり公園に到着し、竿をレンタル。費用はサビキの仕掛け付きで1,000円(税込)。これとは別に4時間1,200円の入場料を支払う。
サビキは、釣り糸先端のカゴにアミエビなどの撒き餌を入れ、糸についた複数の針で魚を狙う釣り方。集まったアジやイワシが針に食いつき、初心者でも手軽に楽しめるらしい。
餌は受付で販売しているし、持ち込んでもOK。今回は800円のチューブ式のオキアミを買った。撒き餌カゴにそのまま出すだけでよいらしく、便利な気がする。
公園は朝からかなりの賑わいで、釣り人のカゴを見ると大量の豆アジが! 「またサバや!」という声も聞こえ非常に期待が高まる。
さっそく撒き餌カゴにニュルニュルとオキアミを出し、海に落としてみる。
……が、5分ほど待ってもかからない。隣の親子は針を落として1分ほどで釣れているのに。場所、隣なのに!!!
見かねた優しいキッズとお父さんが、水で溶かした自前のオキアミを貸してくれたのだが、やはり釣れない。なぜだ。