●鮮やかな花のトンネル続く稜線歩きのハイライト

美しい稜線を、ツツジとシャクナゲに包まれながら歩くことができる

 万二郎岳から先、最高峰の万三郎岳へと続く道は、本コースのハイライトとなる区間である。登山道の両側に花が密集し、まるでトンネルの中を進んでいるかのような景観が続く。

 視界いっぱいに花が広がり、歩くほどにその景色が途切れることなく続くので、新緑のブナ林と花の色彩に包み込まれるような感覚になる。

 稜線上は風が抜け、気持ちよく歩ける区間だ。馬の背を経て進む道は、ときおり富士山が望めるなど変化があり登山者を飽きさせない。花に囲まれながら歩く時間はあっという間に過ぎていく。万三郎岳に近づくにつれて達成感が高まり、山頂への期待も膨らむ。

●静かな森を抜け、駐車場へ戻る下山路

陽の光が優しく降り注ぐ、幻想的な森を下山していく

 万三郎岳山頂では日本百名山の看板が出迎えてくれ、登頂の達成感もひとしおだ。山頂周辺は落ち着いた雰囲気で、富士山を眺めながらゆっくりと休憩を取ることができる。

 景色を堪能したら、下山は小岳方面へと進み、再び森の中へ入っていく周回コースを進もう。万二郎岳へと折り返す登山者もいるため、この先の区間は比較的静かで、人の少ない落ち着いた山歩きを楽しめる。

 この周回コースの魅力はなんと言っても、固有種アマギシャクナゲの群生。深い森の中、白やピンクに咲くシャクナゲの美しさは一見の価値ありだ。

 やがて天城高原駐車場へ戻ると、一日を通しての充実感が強く残る。花と新緑のトンネルに包まれた山行は、心地よい余韻と大きな満足感とともに締めくくられる。

●下山後に立ち寄りたい温泉【伊豆高原の湯】

清流のせせらぎが聞こえてきたら駐車場が近い。お楽しみの温泉へ向かおう

 満開の花に癒された後は、温泉で汗を流しリフレッシュしよう。今回立ち寄った伊東市の「伊豆高原の湯」は、広々とした浴場と露天風呂や、美肌効果のある「泥湯」が有名で、ゆったりとした時間を過ごすことができる。天城高原駐車場からはおよそ15㎞、クルマなら約30分程度で到着でき、午後11時まで入浴受付が可能な点もありがたい。

 自然の中で体を動かした後の温泉はまさに癒しのひとときで、一日の体験がより充実したものとなる。今回提案した天城山の登山は、温泉まで含めて完成する“癒しのプラン”である。

 花に包まれた稜線、静かな森、そして温泉。天城山の一日は、単なる「登山」を超えた体験として記憶に残る。「百名山は自分には無理かも」と思っていた人も、このコースを歩き終えた頃には、きっと次の山へと目が向いているはずだ。アマギシャクナゲの見頃は例年5月下旬〜6月上旬。混雑を避けるなら平日か、早朝のスタートがおすすめ。伊豆の春山を、ぜひ自分の足で体感してほしい。

●周回コースのコースタイム

【天城高原駐車場から万三郎岳周回コース】所要時間
天城高原駐車場(0:00)→ 万二郎岳(1:10)→ 万三郎岳(2:30)→ 天城高原駐車場(5:00)
歩行距離:約8.0km
累積標高差:登り 705m、下り 705m
合計所要時間:5時間

●【MAP】天城山・万三郎岳

●【MAP】天城高原ゴルフコース(登山者用駐車場)

●【MAP】立ち寄り温泉「伊豆高原の湯」