世界的に見れば日本は小さな島国だが、そうは思えないほど広大な大地を実感できる景色がある。今回は関東平野を一望でき、都心からのアクセス良好な山を紹介したい。
■丹沢・大山 ヤビツ峠から山頂を目指す静かな山歩き
神奈川県の面積の6分の1を占める丹沢山地。その東端にあるのが、標高1,252mの大山(おおやま)だ。日本三百名山や関東百名山のひとつでもあり、五穀豊穣を願う雨乞いの山でもあることから、雨降山(あふりやま/あふりさん)という別名も持っている。ケーブルカーが運行しており、中腹に鎮座する大山阿夫利(おおやまあふり)神社の下社はミシュランガイドで星を獲るほどの景色で神奈川県有数の観光地である。
ケーブルカーを利用するルートは人気だが、今回紹介するのはヤビツ峠から山頂を目指すルートだ。比較的入山者が少なく、静かな山歩きを楽しむことができる。
ヤビツ峠から大山山頂までは約1時間40分。日が長くなってきたとはいえ、短時間で登れるので初心者にも安心だ。山頂付近までは樹林帯を歩くが、冬枯れした登山道では木々の間から景色が見える。途中、湘南の街並みや相模湾が見える場所も多く退屈しない。さらに丹沢の山々に加え富士山を望めるスポットもあるため、景色を楽しみながら山頂を目指せる。
山頂に到着すると、大山阿夫利神社の本社があり、そこから関東平野を見渡すことができる。休憩できるスペースも多いため、お気に入りの場所を見つけてゆっくりと景色を堪能しよう。標高は1,200mを超えるので、ゆっくりと景色を満喫するために春でも防寒着は必須。温かい飲み物もあるといいだろう。
【ヤビツ峠から山頂を目指すコース】所要時間
ヤビツ峠(0:00)→ 大山(1:35)→ ヤビツ峠(2:50)
歩行距離:約4.4km
累積標高差:登り 531m、下り 531m
合計所要時間:2時間50分
■日本百霊峰・御岳山 山頂で参拝後に天狗を探しに散策
日本二百名山や日本百霊峰、花の百名山など数々のランドマークに名を連ねている御岳山(みたけさん)は東京にある標高929mの山だ。ケーブルカーを利用することで山頂エリアへのアクセスも気軽にでき、奥多摩エリアを縦走するハイカーにも人気だ。そんな御岳山山頂には武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)が鎮座し、霊峰として2000年以上の歴史を持つとされ信仰の山としても知られている。
御岳山は山頂エリアにいくつものハイキングルートが設けられているが、今回は天狗伝説を追うルートを紹介する。山頂までは多くの観光客で賑わうが、御岳山の山頂から整備されているロックガーデンや武蔵御嶽神社奥の院に続くルートは本格的なハイキングエリア。人も少なくなり、静かな森を歩いていると東京であることを忘れてしまうほど。山頂からロックガーデンへと入り、約20分歩くと天狗岩が見えてくる。
天狗岩は登ることも可能だが、筆者が訪れた時は季節外れの大雪の直後だったため登るのは控えた。岩の上には天狗が鎮座しているため、ぜひ確認してみてほしい。
天狗岩からロックガーデン内を散策しながら50分ほどハイキングすると、「天狗の腰掛け杉」と呼ばれる立派な杉の木が現れる。枝が不自然に曲がっており、かつてこの木に天狗が腰掛けたとされる伝説からつけられたそうだ。
帰路は関東平野の景色を楽しんでから下山したい。ケーブルカー乗り場へと戻る途中、長尾(ながお)茶屋から5分ほど歩いたところに長尾平(ながおだいら)展望台がある。関東平野の街並みや、隣の日の出山(ひのでやま・標高902m)を望み、東屋もあるので休憩するのにぴったりの場所だ。
ケーブルカーを利用すれば、長尾平展望台からの景色を気軽に楽しむことができるため、親子連れにもおすすめできる。武蔵御嶽神社の付近には茶屋などもあるため、美味しいものを食べながら散策するのも楽しいだろう。
【御岳山ハイキングコース】所要時間
御岳山駅(0:00)→ 御岳山(0:30)→ 天狗岩(1:20)→ 綾広の滝(1:42)→ 天狗の腰掛け杉(2:10)→ 長尾平展望台(2:20)→ 御岳山(2:55)
歩行距離:約6.4km
累積標高差:登り 594m、下り 587m
合計所要時間:2時間55分
■日本百名山・筑波山 関東平野の絶景に巨岩巡り
茨城県にある筑波山(つくばさん)は、男体山(なんたいさん・標高871m)と女体山(にょたいさん・標高877m)からなる双耳峰である。日本百名山の一座に名を連ねるほか、日本百霊峰や関東百名山などに選ばれている。
筑波山にはケーブルカーとロープウェイが運行しており、山頂エリアまではアクセスしやすい。だが歩きでしか見られない巨岩のあるルートが楽しいのでおすすめ。
ロープウェイ・つつじヶ丘駅から弁慶茶屋跡を経由して白雲橋コースにつながる「おたつ石コース」。道中には多くの奇岩・巨岩が鎮座しており、弁慶が恐れ、7回戻ったとされる「弁慶七戻り」や「母の胎内くぐり」、「北斗岩」、「ガマ石」などの巨岩が楽しめる。筑波山は山全体が御神体となっていることからパワースポットとしても知られており、女体山山頂までの道のりを楽しめるだろう。
山頂からは関東平野を望む、筑波山の付近には視界を遮るような山がないため、特に大地の広さを感じることができる。女体山から男体山までは25分ほど。どちらの山頂からも絶景を望むことができる。下山は女体山からロープウェイを利用すれば時間の短縮が可能。
春本番を迎え、もうすぐ新緑の季節になる。関東平野を一望できる山へと出かけてみてはどうだろうか。
【御岳山ハイキングコース】所要時間
つつじヶ丘駅(0:00)→ 東屋・弁慶茶屋跡(0:43)→ 筑波山・女体山(1:18)→ 筑波山山頂駅(1:32)→ 筑波山・男体山(1:43)→ 筑波山山頂駅(1:54)→ 女体山駅(2:09)
歩行距離:約3.3km
累積標高差:登り 500m、下り 192m
合計所要時間:2時間09分