信州の山里では桜が舞う4月下旬。長野県の松本市と岡谷市にまたがる「鉢伏山(はちぶせやま・標高1,928.7m)」は、冬の眠りから目覚め、生命の息吹に包まれる。
今回は、春の芽吹きと北アルプスの絶景、登山道沿いが生息地となっているシマリスとの出会いが待っている山歩きを紹介する。
■厳しい冬を越えて ~花が彩る登山道~
駐車場がある牛伏寺(ごふくじ)砂防ダム周辺は、桜や新緑の柔らかな色調に包まれ、山里の少し遅い春の訪れを感じさせてくれる。
牛伏寺駐車場の脇にある登山口から尾根沿いに登るルートへ。木々は芽吹いたばかりでまだ葉が少なく、まだ冬の名残を感じるが、足元に目を向ければ、厳しい冬を越えた山野草が彩りを添える。特徴的な形の花を咲かせるヒトリシズカやヤマエンゴサク、カタクリなどを愛でながら、一歩一歩高度を上げていく。
■さわやかな高原歩き ~残雪の北アルプスの眺望~
樹林帯を抜けると、鉢伏山荘へ続く林道に出る。ここまで来ると高い樹木は影を潜め、あたり一面、笹原に包まれた開放的な高原が広がる。
鉢伏山山頂周辺は山荘の管理地となっており、入山時に1人300円の入山料が必要だ。筆者はかつてこれを知らず、持ち合わせがなくて撤退した苦い経験を持つ。訪問の際は小銭の準備を忘れずに。
4月下旬、山頂付近の日陰には、まだ雪が残ることもあるが、登山道への積雪の心配はほぼない。なだらかな笹原を登りきった山頂からは、眼下に広がる松本盆地と、白銀に輝く北アルプスの大パノラマが待っている。