暖かな日差しが降り注ぐ4月。そろそろ浅場にキスが寄ってくる頃である。 「キス釣り=砂浜での投げ釣り」というイメージが強いかもしれないが、実は足場の良い堤防(波止)も絶好のポイントである。

 しかし、堤防付近の海底はキスが好む砂地だけでなく、岩礁やカキ殻が混じる「根がかりしやすい海底」だ。キス釣りではセオリーとされている「動かして誘うアプローチ」だと根掛かりが頻繁に起こる。そんなポイントだからこそ効果的な「動かさない誘い」の威力について、実体験を交えてレポートする。

■春から初夏は良型のキスが狙い目

春の日差しを浴びて、うっすらとピンク色に輝く美しいキス

 冬の間深場にいたキスは、春になると産卵のため浅場に移動を始める。この時期はヒットすれば、20cmを超える良型が期待できるのが最大の魅力。

 堤防でのキス釣りは砂浜とは異なり、足場が高いため波の影響を受けづらいので釣りやすい。また、足元から適度な水深が広がっているので広範囲を探りやすく、深場から浅場に移動中のキスも狙えるというメリットの多いフィールドである。

■遠投不要! タイトタックルでOK

 堤防でのキス釣りは、ライトタックルでOKなのも魅力の一つだ。

堤防キス釣りのオススメタックル
竿: 2〜3m前後のルアーロッドや、軽めのチョイ投げ竿
リール: 小型スピニングリール(2500番前後)
仕掛け: 天秤+キス専用2本針
エサ: 石ゴカイ(ジャリメ)やアオイソメ

根掛かりを考慮した天秤仕掛け7号を使用

 今回使ったのは「立つ」タイプの天秤仕掛け。ノーマルタイプは海底に着底すると横になってハリスやエサ(釣り針)も海底に接地するが、立つタイプは着底したあとにハリスやエサ(釣り針)が海底から少し持ち上がった状態をキープしてくれる。

 海底との接地面が減るため、根がかり率が下がるだけでなく、海流でエサが漂ってアピールしてくれる。これまでリールを巻いて動かして誘っていたアピール動作が不要となる。

■狙うはかけ上がり! 見つけ方は海面とカウントダウンにあり

漁港にある堤防の先端部は釣りポイントの一等地。ただし、根がかりも多い難所でもある

 堤防からのキス釣りでは、堤防先端の灯台付近や、潮通しの良い角の部分が狙い目となる。堤防近辺は足元から適度な水深が広がっているため、遠浅サーフのように「波の向こうへ」といった遠投キャストは必要ない。15〜20m投げられれば十分だ。

 仕掛けが海底に着底したあとは「引きずらない」のが重要。 砂浜では広範囲を引いて探るのがセオリーだが、堤防周辺では砂煙や振動がキスの警戒心を高めることがある。 堤防まわりはサーフに比べると閉鎖的な地形で潮の流れも緩く、過度な砂煙や振動が外敵のサインとして受け取られやすいからだ。

 堤防では「動かして誘う釣り」でなく、「仕掛けを落として待つ釣り」であるため、その仕掛けを落とすポイントが重要となってくる。

 仕掛けの投入ポイントを見極めるコツは2つ。1つは海面だ。変化し続ける海面を観察すると「変化しない」周囲と異なるスポットが時々見える。筆者はそれを「動かない潮目」と呼んでいるが、まるで「水が湧き上がっているような海面」である。晴天時には明るい色と濃い色が接して見えるのも特徴。このような海面下は水深が急に変わる「かけ上がり」となっているサインである。

 かけ上がりを見つけるもう1つの方法は、仕掛け投入から海底に着底までの時間を測る「カウントダウン」である。ポイントを数mずつずらしながら仕掛けを投げ入れて着底までの秒数を比較することで、水深の変化を把握することが可能だ。

 かけ上がりを見つけて仕掛けを投入したら、あとは「放置」でOK。「潮止まり」と呼ばれる潮が動かない時間帯でない限り、 潮流にエサを漂わせて待てばよい。かけ上がりを回遊するキスが潮流に漂うエサを見つけて口にする。自然に漂うエサは警戒心を与えにくいことから、結果としてしっかり食い付かせることに繋がる。