■水中カメラでのぞいてみた、冬の小水路に集うタナゴたち
予想外のアカヒレタビラとの出会いをきっかけに、水中の様子を自分の目で確かめてみたくなった。魚たちを脅かさないよう、そっと水中カメラ(GoPro)を沈めると、画面の中には小水路の底付近に集まる魚影がはっきりと映し出された。
映っていたのは、ほとんどがタイリクバラタナゴで、ときおりクチボソ(正式名称はモツゴ)がその間を行き交う光景だった。浅い水路の底近くを、群れでゆっくりと移動し、ときどき立ち止まるように向きを変える様子は、ウキ越しに想像していた動きとは、まったく印象が異なる。
残念ながら、先ほど釣れたアカヒレタビラなど在来タナゴの姿を映像の中で確認することはできなかったが、寒の時期の魚たちが、どの層にまとまり、どのように行動しているのかを視覚的に把握できたことは、釣りをするうえでの大きなヒントとなった。
冬の水路は、低水温によってプランクトンが減少し、水の透明度が高くなる傾向にある。このため、水中の世界をのぞき込むには適した季節である。もしよさそうな水路があれば、一度のぞいて見るのもいいだろう。
■寒タナゴ釣りは、繊細で奥深い冬の釣り
この日の釣果は、タイリクバラタナゴ51匹、アカヒレタビラ1匹、オイカワ(幼魚)4匹だった。正午から午後3時まで、実質3時間ほどの釣りとしては、十分すぎる内容である。なかでも、十数年ぶりに再会できたアカヒレタビラの存在は、今回の釣行を特別なものにしてくれた。釣りあげた魚たちはすべて元気なうちに、元いたホソに返してやった。
寒タナゴ釣りは、大物を狙う釣りのような派手さはない。しかしその一方で、水深や水温、魚が好む障害物の有無といった条件を読み取りながら、魚の居場所を一つずつ探し当てていく、きわめて繊細で奥深い釣りである。
水中の糸ウキのかすかな揺れに神経を集中させ、アタリを拾っていく時間は、まさに寒タナゴ釣りならではの世界だ。凍えるような寒さの中で積み重ねていく小さな試行錯誤と、一尾にたどり着くまでの過程こそが、寒タナゴ釣りの魅力なのだと思う。
【注意事項】
これからの時期、霞ヶ浦周辺の田んぼでは、春に向けた農作業が盛んになってくる。軽トラックや小型重機の出入りが頻繁になるので、釣り場近くに車を停める際には農作業の邪魔にならないようくれぐれも注意しよう。もちろん釣り場でのゴミのポイ捨てなども厳禁である。
霞ヶ浦・北浦では湖の堤防外にあるホソでの釣りは遊漁券が不要。ただし、桜川、小野川など漁業権が設定されている一部の流入河川で釣りする際は遊漁券が必要になる。