あなたの日常には、心が動く“スイッチ”がありますか。
美味しいものを食べたり、感動的な映画を見たり、初めての街へ旅に出かけたり。そんな小さなきっかけがあるだけで、日常はきっと豊かになるに違いありません。
イラストレーターの神山奈緒子さんにとって、そのスイッチは「山」でした。そして、山を歩く中で出会った、心が動いた瞬間。その積み重ねが、今の彼女の作品を形作っています。
◼️大人になって気づいた、地元・山梨の山の魅力
神山さんは、アパレルバイヤーや小学校講師を経て独立した山梨県在住のイラストレーター。これまで、地元企業の広告や地ビール・ワインのパッケージ、アウトドアブランドの製品など、幅広い分野のイラストを手がけています。
四方を山に囲まれた甲府市出身の彼女が山登りにハマったのは、意外にも大人になってからでした。
以前は、海外旅行先で出会った風景を描くことが多かったと言いますが、山登りを始めたことで制作のモチーフは一変。自宅のすぐ近くにありながら、日常とはまったく違う表情を見せる山の景色や空気に強く惹かれ、山を題材にした作品が増えていきました。
「山を歩いていると、だんだん心が整って、自分自身の感覚と向き合えるんです。歩きながら『この構図で描きたい』『このモチーフは面白い』と思っても、実際に描くとなると筆が進まなかったり、逆に思いがけない作品が生まれたりする。自分でもコントロールできないのが山を描く面白さですね」
◼️ 1月21日〜25日に浅草橋で作品展を開催
そんな神山さんが地元・山梨の山々で出会った景色や動植物を描いた作品展「うまず たゆまず」を、1月21日~25日まで、東京・浅草橋の「写真企画室ホトリ」で開催します。
「うまずたゆまず」とは、“飽きたり、心がゆるんだりせずに、たゆみなく努力を続けるさま”を意味する言葉。山と向き合う姿勢、そして描き続ける自身の気持ちに重ねて、このタイトルを選んだと言います。
メインビジュアルに選んだのは、神山さんが暮らす甲府市の最高峰・金峰山の山頂にそびえる五丈岩。
「自分の心の変化を記録する意味もあって、毎年描いています。今年の作品は2週間ほどかけて仕上げました」
年に数回は必ず登るという、大切なホームマウンテンです。