■締めは東京都区内の「天然の最高峰」

愛宕神社の拝殿。参拝者が列を作っていた

 最後に筆者が向かったのは東京都区内で天然の最高峰である愛宕山(あたごやま)だ。国土地理院地図によると標高は25.7m。

 箱根山の方が標高は高いが、箱根山は人工の築山、愛宕山は自然の山(天然林)である。三角点も設置されており、国土地理院地図にもしっかりと記されている。

現代の愛宕山三角点。待乳山と同じく、地面と一体化していた

 さらに愛宕山の三角点は他の三角点とは少々違う。なんと、三角点としては日本最古なのだという。設置されたのは東京が「都」ではなく、「府」だった時代。つまり明治の頃で100年以上前とされている。

 最古の三角点は資料などから愛宕神社境内の池の中に残存していると推察されており、整備工事の際に存在が確認された。整備工事が完了した現在は池から顔をのぞかせ、現代の三角点と同じく見学が可能になっている。

愛宕山にある日本最古の三角点

 愛宕山には防火の神様が祀られている愛宕神社が鎮座し、先に紹介した待乳山と同じく多くの参拝者が訪れる。また、防火だけでなく、商売繁盛や恋愛、なんとコンピュータ関係までご利益があるらしく、スーツ姿の参拝者も少なくなかった。

 境内へのルートは正面の出世の石段とその脇の女坂(坂という名前だが、こちらも階段)、愛宕トンネル側からの階段と三通りある。

愛宕山へ出世の石段は、かなりの急勾配なので要注意
出世の石段の隣にある女坂の方が勾配は比較的緩やか

 出世の石段は非常に急なので無理をせず、隣の女坂を利用してもいいだろう。トンネル側の参道も階段だが、出世の石段よりも緩やかなのでこちらを利用するのも手だ。

愛宕トンネルの脇から登るルート
勾配は一番緩いトンネル脇の階段

 電車でのアクセスの場合は東京メトロで虎ノ門駅や虎ノ門ヒルズ駅から近い。新橋駅からのアクセスもでき、新大久保から山手線を利用した筆者は新橋駅から20分ほど歩いて愛宕山を登頂した。

■身近な小さな山にも歴史あり!

わずか44mの箱根山にも江戸時代から現代までの歴史が詰まっていた

 山地面積は日本の国土の約75%を占める。自然の働きによって生まれた天然の山だけでなく、造成された築山まで合わせれば身の回りには大小さまざまな山々が存在しているといえるだろう。

 富士山に代表されるような壮麗な高山には古くから山岳信仰の対象となったり、芸術のモチーフとなったりといった歴史があるが、今回紹介した東京都23区内で気軽に行ける待乳山、箱根山、愛宕山にも、そこで暮らす人達との密接な関わりがあり、紹介しきれなかった事柄も少なくない。

 高い山だけでなく、身近にある小さな山々にも目を向けることで、新たな気付きと出会える。この記事を読んで興味を持った方は、ぜひとも身近にある小さな山へ足を向けてみてほしい。