大阪市内には標高4.53mの「元」日本一低い山がある。その名も『天保山(てんぽうざん)』。
江戸時代、大阪を流れる安治川(あじがわ)の川底を掘り下げる工事で出た土砂が積みあがってできた山で、当時の年号を取って天保山と名付けられたらしい。
天保山は東日本大震災以前までは日本一低い山だった。しかし、今は宮城県仙台市にある日和山(ひよりやま)が標高3mで日本一低い山だ。震災の際、地形が変わってしまったのが原因らしい。そのため、天保山は「元」日本一低い山、日本で二番目に低い山となっている。
■天保山ナイトハイク
そんな日本で二番目に低い山である天保山への登山客は、たいてい日中にやってくる。夜に登ったという話はあまり聞かない。そこで夜の天保山を堪能するため、天保山ナイトハイクに出かけることにした。
天保山は天保山公園内にある。したがって天保山公園の入口が、登山口になる。公園に入ってまず驚くのが、想像以上に暗くて人がまったくいないこと。静まり返った夜の公園は美しくも妖しい雰囲気が漂う。
実は天保山公園内には、天保山の山頂より高い場所がいくつも存在する。もし初めて天保山登山に訪れるのであれば、山頂にたどりつけず、夜の山で迷ってしまうかもしれないので注意が必要だ。ただ天保山はスマホの電波が届くので、迷ったらGoogleマップなどで現在地を確認することをおすすめする。
天保山山頂に到着すると、まず目を引くのは山頂から見上げる天保山大橋だ。橋の下を流れる安治川(あじがわ)に映る夜景の光は美しい。安治川沿いの散策路まで下りれば、正面に見える天保山観覧車が圧巻だ。また安治川沿いの散策路付近には、坂本龍馬とお龍が日本初の新婚旅行に旅だった地の記念碑があり、天保山の歴史を感じることができる。