「奇跡の9連休」と呼ばれた2024-2025年の年末年始を満喫した人は多いだろう。なかには運動もせず、食べて飲んで正月太りをしてしまった人もいるかもしれない。
今回は、正月でなまった体を呼び覚まそうということで、往復1時間前後で絶景が楽しめる兵庫県西脇市の比延山(ひえやま)を紹介する。ただし1時間と侮るなかれ。比延山は「ひょうごの景観ビューポイント150選」にも選ばれた絶景の山城跡なのである。
■比延山城跡とは?
比延山はきれいな山容をした標高286.9mの低山だ。山頂には室町時代から安土桃山時代にかけて使われた、比延山城跡がある。ただ当時は城には管理人がいるだけで、城主が居住していたわけではないらしい。比延山城の城主は室町時代の守護大名、赤松氏の一族だった本郷氏。のちに比延氏に改姓した。
なお、比延山城跡には石垣が残っていない。曲輪(くるわ)跡らしき場所がなんとなくわかる程度だ。曲輪とは、安土桃山時代から江戸時代にかけて城の本丸のように「○○丸」と呼ばれるようになった場所。つまり山城の曲輪跡は建物があった場所であり、不自然に平地になっていてわかりやすい。ちなみに城主であった比延氏は、NHK大河ドラマにもなった黒田官兵衛の母の実家である。
比延山登山道は整備されており、道標も多い。したがって道に迷う心配はほぼないと言っていいだろう。山頂は崖となっているため、足元から西脇市街地を一望できる大迫力の絶景が広がっている。ただし、景色に見とれて転落しないよう注意が必要だ。