■メリット・デメリットを正直レビュー!
●メリット:安くても本格派! 初心者にもおすすめ
まず最大のメリットは価格の安さと入手のしやすさ。300円台で買えるアルコールストーブはほとんどなく、お試しとしても購入できるのはうれしい。本体構造も単純で壊れにくく、メンテナンスもほぼ不要。さらに軽量・コンパクトなのでソロキャンプやツーリングキャンプなど荷物を減らしたいシーンに適している。
燃料の「燃料用アルコール」もホームセンターやドラッグストアで販売されているため、手に入りやすい。「燃料用アルコール」の主成分メタノールは引火点が低く、寒冷地でも使えるのが特長だ。
●デメリット:安価で軽量だが耐久性は……
価格の手軽さが最大の魅力ではあるが、実際に使用すると課題もみえてくる。まず、消火・火力調節用の蓋がないこと。燃料を使い切るまで消火ができない点が挙げられる。そして、もうひとつ気になるのが耐久性だ。
ダイソーのアルコールストーブはアルミ製で非常に軽い反面、熱による変形が起こりやすい。底面がわずかに膨張したり、縁が歪む可能性がある。変形すると炎の出方が不均一になり、安定性に影響する。熱の伝わりに温度差が生じやすく、金属疲労も起こしやすい。
■誤った使い方で失敗しないためのコツと適した調理
まずは、風対策が重要である。風が強いと火力が不安定になるため、風防の使用がおすすめ。また地面に直接置くのではなく、平らで安定したプレートの上に設置すると安全性が高まる。
その他、失敗しないコツをいくつか紹介すると、燃料が少ない状態での点火は爆発する恐れがあるので注意が必要。タンクの3分の2程度、燃料を入れることが推奨されている。アルコールストーブ使用中に燃料を継ぎ足す行為は厳禁。アルコール燃料は引火しやすく、注ぐ容器ごと爆発する恐れがある。必ず火を消してから継ぎ足すようにする。
燃焼中は炎が見えにくいので、完全に消えるまでは絶対に手を近づけてはならない。調理法としては、湯沸かしや簡単な調理。メスティン炊飯や、インスタントラーメンなど、短時間で完結するメニューが最適だ。
さらに、防災用や非常時の携帯熱源としても使える。燃料用アルコールは長期保存が可能なので本体と一緒に防災リュックに忍ばせておくことも可能だ。
総合的にみると、ダイソーのアルコールストーブは火力・携帯性・価格のバランスが取れている。もちろん、風対策や火力調節の難しさといった点もあるが、それを補うだけのコストパフォーマンスと手軽さは魅力だ。十分に価値のあるアイテムではないだろうか。
●アルコールストーブ(80ml)
価格/330円(税込)
サイズ/7.2cm × 7.2cm × 3.6cm
材質/アルミニウム