埼玉県・秩父にある「伊豆ヶ岳(標高851m)」は、都心からのアクセスが良く、日帰りで楽しめる人気の山です。計画次第では長く歩くことができ、岩場や急登もあるなど、初級者から中上級者まで幅広い層を満足させてくれます。
例年、伊豆ヶ岳が紅葉の見頃を迎えるのは11月末。今の時期にこそ、ぜひ歩いてほしいルートなのです。
◼️バリエーションに富み、通年賑わう人気ルート
伊豆ヶ岳が位置するのは、埼玉の奥武蔵エリア。西武秩父線の正丸駅から登り始め、下山口に吾野駅を設定できるため、東京近郊のハイカーにとっては手軽に日帰りで歩ける人気スポットとして知られています。
新緑に山が染まる春、美しい紅葉に包まれる秋、そして積雪が少ない冬と、一年を通して登山者で賑わっており、日本百低山にも選ばれています。
ルートはいくつか考えられますが、特に人気なのは正丸駅から伊豆ヶ岳を経て、足腰の神様を祀る「子ノ権現(ねのごんげん)」へと縦走する行程です。このルートは鎖場や緩やかな尾根歩き、さらには眺望スポットが点在しているうえ、「関東ふれあいの道・伊豆ヶ岳を越えるみち」にも指定されていて山岳信仰の歴史も感じられるなど、非常にバリエーションに富んでいることが魅力となっています
◼️稜線上には美しい紅葉がお出迎え
正丸駅からスタートし、30分ほどで正丸峠コースと大蔵山コースの分岐です。大蔵山コースの方が短く見えますが、急な登りがあるので正丸峠を経由しても所要時間は大きく変わりません。少し大回りになりますが、おすすめは気持ちのいい沢沿いを進める正丸峠コースです。
序盤はゆっくり高度を上げながら、足慣らしをしましょう。最後に短くきゅっと斜度が上がったら正丸峠は、もうすぐです。
そこからは、伊豆ヶ岳のお隣に位置する五輪山(標高770m)と、伊豆ヶ岳の手前に少々急斜面がありますが、基本はなだらかで歩きやすい登山道が続きます。針葉樹の植林も混じりつつ、美しい広葉樹の紅葉が楽しめるパートです。のんびりと初冬の澄んだ山の空気を満喫しながら歩きましょう。