■再びねぐらへと向かうコハクチョウ

西日を浴びながら夕食をたっぷり胃袋に詰め込んでいるようです

 夕刻を迎えました。体を休めたりえさをとったりした時間もそろそろおしまいです。寝る前に、お腹いっぱい食事をしておきたいのは人間も鳥も同じ。熱心に米粒や植物の種などをついばんでいました。
 午後3時を過ぎると、少しずつコハクチョウが帰ってきます。帰宅時間は群れによって様々。日が沈むにはまだまだ余裕があるのに早々と帰ってくるのは優等生グループでしょうか。

強い夕陽の光で体をオレンジ色に染めたコハクチョウが、池に向かって真っすぐ飛んでいきます
竿になり鍵になりながら、日暮れの空をねぐらに向かって急ぎます
この日は、今年最大の満月の前日。ほぼまん丸の月を眺めながらコハクチョウのねぐら入りを見送ることができるのは最高の贅沢です

 しかし、そのような群ればかりではありません。池のすぐそばに居続けたものがいたかと思うと、はるかかなたまで遠征していた群れもあったようです。何が彼らの行動をそのようにさせているのかはわかりません。

 マジックアワーも終わりを告げると、空は濃紺の世界へと向かっていき月が明るさを増すようになります。「早く帰らないとよい場所を確保できないよ! 」ついそんな声をかけたくなってしまいました。

 彼らは、ひと冬をこの場所で過ごし、春を待ちます。紅葉とコハクチョウの壮大なスペクトラムを見ることができる秋の大山上池・下池。多くの方に是非一度ご覧になっていただきたいおすすめスポットです。