今年はサンマが豊漁だ。型、味がよく、数年ぶりの安値とあっては、キャンプやバーベキューでもおおいに味わいたい。が、炭火で魚を焼くのは意外と難しい。火加減の調整を間違えると、皮が焦げて身は生焼けなんてこともよく起こる。
そこで今回は、インターネットで紹介されていたサンマをきれいに焼く方法と、筆者が発見した、意外なアイテムを使うことで失敗しにくくなる裏ワザ「ハイブリッド焼き」を紹介する。どちらが上手に焼くことができたのか比較してみたので、ぜひサンマを炭火焼する際の参考にしてほしい。
■インターネットでサンマの焼き方を調べて実際に試してみた
サンマを炭火で焼く際によくやってしまう失敗は、網に皮がくっついてしまい、無理にひっくり返して皮が剥がれ身がボロボロになってしまうことや、火加減を誤り真っ黒に焦げてしまうことだ。
では、完璧な焼き上がりとはどんな感じか。皮がパリッとして焼き目が付き、身は崩れずふっくらジューシーで、頭と骨以外、余すところなく食べられる状態。これを目指したい。
ネットで焼き方を調べてみたが、どこまで再現性があるのか疑問を感じつつ、代表的な方法3つを実際に試してみた。
共通の下ごしらえや焼きのルールとして、サンマに塩を振って10分ほどしてから、浸み出てきた水分をペーパーで拭き取り、焼き網は十分に加熱し、火加減は強火の遠火。身が崩れてしまうので、ひっくり返すのは1回だけとした。ちなみに網は、かなり使い倒した古いものを使用している。
●その1 乾燥+急速高温加熱
すぐに焼かず、腹ばい状態にしてサンマの身を立てて、30分ほど放置して表面を乾燥させる。その後、強火で焼くと網にくっつきにくくなるとのことだ。
実際やってみると確かに一定の効果があったようで、身がボロボロにならずにひっくり返すことができた。しかし、焼き上がりまでに約50分と時間がかかる。また、乾燥中に野生動物に奪われないか心配な点に加え、気温が高い場合は腐敗も気になるところだ。
●その2 網に油を塗る
網に油を塗る方法もある。皮が網にくっつくのはタンパク質の熱凝着が原因で、金属との結びつきが強い。網の表面に油を塗り、膜をつくることで、金属にサンマが直接接触することを防ぐ。
●その3 網に酢を塗る

最近よく見聞きするのが、網に酢を塗る方法だ。酸によるタンパク質の凝固が熱凝着より少し早いため、網にくっつきにくくなるのだとか。
今回は一つの網で半分ずつ使って、油と酢の両方を試してみた。注意深く焼いた結果、多少の皮の剥がれはあるものの、どちらもほぼ同じ、普通においしい焼きサンマが完成した。
デメリットはどちらも液体なので、漏れのないボトルに詰め替えて持参し、焼く直前にペーパーや刷毛に吸い込ませ、網に塗る、という作業がある点だ。持ち物が増えるのもややマイナスだ。