●清滝小屋から両神神社を経て、両神山山頂へ
清滝小屋から先はいよいよ道が急登に変わり、岩場や鎖場が登場する。三点支持を意識して慎重に進んでいこう。45分ほど登ると、「両神神社」が現れる。ここは両神山の信仰の中心地であり、鳥居と祠が静かに佇んでいる。
周囲は鬱蒼とした森に包まれ、神聖な空気が漂っているようだ。この地点で小休憩をとり、最後の急登に備え、安全登山を祈願してから出発しよう。
両神神社を後にし、最後の急登に挑む。ここからは尾根道となり、右側は切り立った崖、左側には樹林帯が広がる。慎重な足運びが求められるが、鎖やロープも設置されているので安心だ。
約30分の登りで、ついに山頂へと到達する。荒々しい岩の山頂は狭いが、視界が開けており、秩父連山や遠くに浅間山、八ヶ岳などの山並みを一望できる。風が強いことも多いため、防寒対策を忘れずに。記念撮影を済ませ、余韻を楽しんでから下山に移ろう。
●山頂の絶景を堪能したら下山道へ
下山は来た道を引き返すピストンルートとなる。下りは登り以上に足元への注意が必要で、特に鎖場では滑らないよう慎重に進む。清滝小屋で再び休憩をとり、水分補給とエネルギー補給をしてから後半の下山に備える。登山口に戻るまでの所要時間は、登りよりもやや短く、全体で7時間ほどとなる。
■信仰と絶景の日本百名山「両神山」
両神山は、信仰の歴史と自然の美が融合した秩父の名峰である。変化に富んだ登山道、スリルある岩場、展望の良い山頂など、魅力は多彩だ。登山道は比較的整備されており、登山装備を整え体力をつけたうえで挑戦したい。
首都圏からのアクセスもいいので、自然と向き合いながら、静けさと達成感を味わいに出かけてみてはいかがだろうか。