■「黒酢ガーデン壺畑  SHOP&RESTAURANT」でグルメを堪能

黒酢について知れる見学コーナーや商品の購入、黒酢を使った料理を楽しめる施設

 遺跡から海辺の市街地に下りていくと、錦江湾が近づいてくる。国道220号に出南下していくと、旅の締めくくりとなる福山エリアに到着だ。このエリアは、江戸時代に薩摩藩による財政改革の一環として酢が造られるようになったところ。それが鹿児島県の名物である黒酢へと発展した。現在も福山エリアは黒酢の一大生産地であり、江戸時代から約200年以上もの間、同じ製法を守り、薩摩焼などの壺の中で酢を仕込んでいる。

施設の敷地内で仕込んでいる黒酢の壺は12000本ほど。職人が毎日世話をしている

 そうした醸造所と見学コーナー、レストランが一体となっている施設が「黒酢ガーデン壺畑  SHOP&RESTAURANT」だ。施設を運営する坂元醸造は、1975年に壺造りの米酢を「黒酢」と命名した黒酢の元祖。施設内にはパネル展示や映像によって黒酢の製法が歴史がわかるが見学コーナーがあり、黒酢を仕込んでいる壺が並んだ「壺畑」も一望できる。

 仕込むシーズンは4月~6月と9月~10月の年2回。原料は蒸し米と麹、天然の湧水のみ。黒酢は通常の酢を造るときと米の量が違うのだという。屋外に並べた壺が太陽光を浴びることで微生物が働き、1年から3年かけてじっくりと発酵、熟成されていく。熟成期間が長くなるほど、色が濃くなりまろやかでコクのある黒酢ができるという。

自分用のお土産や贈呈用のセットなど多種多様な黒酢商品が揃っている
炒め物などに使える調味料や甘さのあるドリンク、ジャムなどさまざまな形で黒酢を楽しめる
テイスティングしてみると熟成期間や樽で熟成など熟成方法でも味わいが変わることが実感できる

 商品販売コーナーでは坂元醸造が手がける「坂元のくろず」をはじめ、黒酢を使った飲料やドレッシング、調味料、黒酢のもろみを使った健康食品など幅広いラインナップが揃っている。時期によって種類を変えた黒酢のテイスティングも行なっており、黒酢の楽しみ方のアドバイスなども教えてもらえる。

 例えば、今回いただいた黒酢の牛乳割りは、ヨーグルトドリンクのような味わいで驚きがあった。

黒酢の魅力がよくわかる「黒酢ガーデン壺畑  SHOP&RESTAURANT」
鹿児島名物の黒豚も味わいたいので「壺畑」ランチのメインはくろず酢豚をチョイス
4種の麺から選べる「麺と手作り点心2種のセット」。酸辣湯麺は酸味と辛味のバランスがとれた一品だ

 「黒酢ガーデン壺畑  SHOP&RESTAURANT」併設のレストランでは、黒酢を使ったさまざまなメニューを楽しめる。イチ押しの「壺畑」ランチは、メイン料理をくろず酢豚、海老のチリソース、鶏肉の辛味炒めの3種のなかから一品選べ、食前酢や前菜の盛り合わせ、サラダやスープなどのコースで味わえる。

 「酸辣湯麺」は黒酢の風味をスープごと味わえ、鹿児島県産の豚肉、宮内庁御用達のたけのこなど食材にもこだわり抜いている。「麺と手作り点心2種のセット」をセレクトすれば、小籠包や餃子などの点心も味わえて食べごたえもアップする。

錦江湾と桜島、壺畑の風景を一望できるロケーションのよいレストラン

 朝8時半頃に鹿児島空港に降りたち、西郷公園に着いたのが9時過ぎぐらい。そしてE-bikeの旅に出かけて、あちこちめぐりながら「黒酢ガーデン壺畑  SHOP&RESTAURANT」にたどり着いたが、まだ日が傾きはじめるぐらいの時間。各スポットでゆっくり滞在しながら、茶畑や森の道、そして錦江湾や桜島などのさまざまな景色も楽しめ大満足の1日だった。

 霧島市では霧島連山で登山、錦江湾で海のレジャーなどほかにも楽しめることがたくさんある。滞在拠点にぴったりな温泉地もあるので、泊ってさまざまな観光地にも繰り出してみよう。

霧島市は見どころ満載!