愛知県春日井市にある「愛岐(あいぎ)トンネル群」は「日本三大廃線トンネル群」の一つで、普段は立ち入り禁止区域となっている。春と秋の特別公開期間には毎年多くの人が訪れる。散策コースからは美しいモミジが見られ、紅葉の名所としても知られる。

 今回は、秋の特別公開期間に紅葉を鑑賞しながら散策した体験をレポートする。

■愛岐トンネル群・秋の特別公開で紅葉を楽しもう

レンガ塊のモニュメント

 1900年に開通した旧国鉄中央線は、1966年に廃線となり、その役目を終えた。年2回の特別公開期間のみ、ほぼ当時のままの姿を見学することができる。

 2025年の秋の特別公開は、11月29日~12月7日まで。散策コースは、片道約1.7kmの廃線跡地と3号から6号トンネルで、往復の所要時間はおよそ2時間。愛岐トンネル群の紅葉の見頃は、例年11月下旬頃から12月中旬頃まで。

●愛岐トンネル群へのアクセスと持ち物

トンネルの向こうに見えてくる紅葉の木々

 愛岐トンネル群へのアクセスは、名古屋駅からJR中央線で約30分、定光寺(じょうこうじ)駅で下車する。周辺に駐車場がないため、公共交通機関を利用しよう。筆者が訪れた日は平日の午前中だったが、駅の出口付近には長蛇の列ができていた。

 一部のライトアップ区間を除きトンネル内は真っ暗なため、懐中電灯の持参が必須だ。4つのトンネルを散策する間、ライトの点灯・消灯を繰り返す。大きな懐中電灯より、サッと出し入れしやすい小型のものが便利かもしれない。

 服装は、体温を調整しやすい重ね着がよい。また、砕石の上を歩く場所もあるので、靴底が厚めの運動靴などがおすすめ。

●3号トンネルから散策をスタート!

3号トンネルの実物大のSL大幕

 3号トンネル入口には、実物大のSLの大幕が掛かっている。内部に入り暗いトンネルを抜ける際、光の向こうに紅葉が見えてきて、なんとも幻想的である。

 4号トンネルをくぐり抜けると、推定樹齢およそ120年の大モミジが出迎えてくれる。2025年6月に「旧中央線のイロハモミジ」として、春日井市の天然記念物に指定されたばかりだ。

 この日は穏やかな晴天で、歩き続けていると半袖でもちょうどよい。廃線路沿いには庄内川が流れており、渓谷美を望むこともできる。

推定樹齢およそ120年の大モミジ

 5号トンネルへ向かう途中のマルシェ広場では、飲食物などの販売がある。筆者も昼食にしようと思ったが、購入待ちの長い行列を見て諦めた。弁当を持参すればよかったと後悔した。

●6号トンネルで折り返し、モミジ山や河原へ寄り道

愛岐トンネル群沿いの庄内川渓谷

 6号トンネル出口まで来たら、折り返し地点だ。途中で脇道を進み、一面モミジで覆われた「モミジ山」や、河原まで足を延ばした。河原は日陰で風がありクールダウンできたが、じっとしていると肌寒いため、風を通さない上着もあるとよさそうだ。

 小休憩を挟み、スタート地点に戻ってきた。見事な赤レンガのトンネル群と、グラデーションに色づくモミジ、眼下に望む渓谷。名古屋駅からたった30分の場所とは思えない、自然豊かで見応えのある紅葉スポットだった。

愛岐トンネル群
住所 〒487-0004  愛知県春日井市玉野町
電話 愛岐トンネル群保存再生委員会
   特別公開専用/080-9492-5458(公開1ヶ月前から公開期間中まで)
   通常連絡用/090-4860-4664
入場料 100円(小学生以下は無料)

ホームページURL:https://aichinow.pref.aichi.jp/spots/detail/1266/

●【MAP】愛岐トンネル群

※公開日時はホームページよりご確認ください

■廃線トンネル群の紅葉スポットへ訪れよう

 今回は、愛岐トンネル群・秋の特別公開について紹介した。ぜひ、実際に廃線跡のトンネル群と美しい紅葉を見に訪れてほしい。

 

※この記事の情報は2025年9月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。