■エクアドル共和国
スペイン語で「赤道」を意味する、エクアドル共和国。名前の通り、赤道直下に位置し、北はコロンビア、東と南とはペルー、西は太平洋に接する南米の国である。世界有数の生物種や固有種が豊富に生息する国でもあり、生き物たちの楽園「ガラパゴス諸島」、内陸のアマゾン地域「オリエンテ」、冷涼なアンデス地域「シエラ」、開発が最も進んでいる太平洋沿岸地域「コスタ」の4地域に分かれている。
国旗の黄は国土の豊かな資源、青は海と空、赤は独立のために流された血を象徴。中央紋章には、自由と力の象徴であるコンドル、国内最高峰の「チンボラソ山(標高6,268m)」、その上には太陽と、山から流れる川が描かれ、エクアドルの美しい自然を表している。
■セントルシア
アメリカ大陸の南東、カリブ海に浮かぶ、小さな島国セントルシア。フランスとイギリスの植民地だった歴史を持ち、1979年に独立した比較的新しい国である。淡路島ほどの面積ながら、世界自然遺産「ピトンズ・マネジメント・エリア」を有し、火山島ならではの壮大な自然環境、温泉が特徴。
国旗の中央に描かれた三角形は前述の世界遺産に含まれ、国を象徴する双子山「ピトン山」を表している。背景の青はセントルシアの美しい空とカリブ海を象徴し、三角形に使われている黒と白は、アフリカ系黒人とヨーロッパ系白人の文化とその協調を、黄色は太陽の光と繁栄を表現している。
世界中の「山」をモチーフにした国旗は、今回紹介した5つ以外にも存在する。国旗に描かれる山には、それぞれの国の歴史や自然、そして人々の思いが込められているのである。
国旗を通して、世界の山々に思いを馳せてみるのも面白いかもしれない。