日本と同様に海外にも魅力的な山が多数あり、世界中で多くの方がハイキングやトレッキングを楽しんでいる。景色だけでなく、その土地の気候や植物、各国の登山者の文化の違いなど、新たな発見があるのが海外登山の魅力とも言える。

 特に文化の違いは大きく、日本での登山マナーで当たり前と思っていたことが、海外では全く違っているなど常識を覆され、驚くことも多い。

 今回はアメリカ、カナダ、イタリアなど海外8か国で登山経験をしてきた筆者が、びっくり仰天した日本と海外の登山ギャップを紹介する。

■ギャップその1・世界中から登山者が集まる

ヨーロッパアルプスは世界各国から登山者が集まるハイキングの聖地だ

 世界各国から登山者が訪れ、登山中に様々な国籍、言語が行き交うのにはびっくりした。すれ違いの際や休憩中の登山者同士でのあいさつで、「どこの国からですか?」から会話が始まり、それぞれの国の話をしたり、母国のおすすめの山を紹介し合ったりと山での国際交流が体験できるのだ。

 近年では富士登山に日本を訪れる海外のハイカーも多いが、海外では世界的に有名な山だけでなく、マイナーな山でも多くの国から登山者が集まる。特にヨーロッパでは国々が隣接しており、容易に訪問できるので、いろいろな国の登山者を見ることができる。

■ギャップその2・赤ちゃんを担ぎながらの登山

海外では子連れ登山のファミリーが当たり前
まだ歩けない子どもを抱っこ紐で抱えながら登山する様子も見かける

 日本でも子ども連れのファミリー登山はたまに見かけるが、海外ではまだ歩けない1歳ぐらいの子どもでもベビーキャリアに乗せて、背負いながら登山する様子をとても多く見かける。連休やサマーバケーションになると、たくさんの子ども連れの家族がハイキングを楽しんでいる。

 中にはベビーキャリアではなく、抱っこ紐で赤ちゃんを前に抱えながらの登山者も何人か目撃したことがあり、簡単なコースではなくゴツゴツした岩場を通るコースだったので、少し危ないのではないかと驚いたが、彼らにとっては当たり前のようだった。

■ギャップその3・ペット連れ登山

海外ではペット連れ登山は至って普通。小型犬から大型犬まで登っている
山小屋には犬の休憩スペース用に「ドッグバー」まであり、とてもペットフレンドリーだ

 海外では犬連れ登山は至って普通のようで、小型犬から大型犬まで幅広い犬種を目にする。“ペットフレンドリー文化”が浸透しており、レストランやカフェ、スーパーなどにもペットと一緒に入店してOKなお店が日本に比べて多い。

 「ペット=家族の一員」という考え方で、一緒の時間を共有することをとても大事にする習慣があるため、登山についてもごく当たり前になっているようだ。

 犬だけでなく、猫をペット用キャリーリュックに背負って一緒に登山している人も何人か目撃したこともあり、驚いたがとても可愛らしかった。