山は時に「信仰の対象」となり、時に「国のシンボル」として人々を見守っている。世界には、そんな山を国旗に描いた国がいくつもあるのは知っているだろうか。
今回は「山」をテーマに、特徴的な5つの国旗を紹介していく。
■ネパール
山がモチーフの国旗と言われてまず思い浮かぶのは、世界最高峰の「エベレスト(標高8,848m)」を有する「ネパール」ではないだろうか。
ネパールは南アジアに位置し、北はチベット自治区、南はインドに接する内陸国。国土の約8割が丘陵・山岳地帯の山の国である。世界に14座しかない8,000m峰の実に8座が、ネパールだ。
国旗も世界唯一の形をしており、2つの三角形を重ねた独特なデザイン。形はヒマラヤの山並みと二大宗教(ヒンドゥー教と仏教)を表している。
■スロベニア共和国
東西ヨーロッパの文化が交わるスロベニア共和国。北はオーストリア、南はクロアチア、東はハンガリー、西はイタリアと国境を接する中央ヨーロッパに位置する国だ。
四国とほぼ同じ面積しかない小さな国ながら、ユネスコ世界遺産が5つある、自然豊かで歴史のある国だ。
国旗の白、青、赤はロシア・東ヨーロッパ・バルカン半島に分布するスラブ民族を象徴。左上は国章で、描かれている山はスロベニア共和国のシンボルであり、国内最高峰の「トリグラウ山(標高2,846m)」を表している。
■サンマリノ共和国
バチカン市国と同様にイタリアの中にある独立国で、世界で5番目に小さい国であるサンマリノ共和国。世界最古の共和国として知られ、中世の雰囲気を残す街並みが特徴だ。イタリア半島中部の山岳地帯にある「ティターノ山(標高739m)」の山頂に位置し、城砦を築いて国を守ったことから“山頂の独立国”とも呼ばれている。
国旗の白はティターノ山の雪と純潔さ、青は空とアドリア海を意味する。中央の国章には、主権を象徴する王冠、ティターノ山の3つの峰と3つの塔、月桂樹とオークの葉が描かれ、その下にはラテン語で「自由」を意味する「LIBERTAS」が記されている。