●エサの種類と使い分け

エサは少量で良い。魚の活性が高いなら針先を出し、活性が鈍いようなら隠す場合もある(写真はオイカワ用練りエサ)

 エサは身近な材料でよい。米粒やうどんは粘度が高くて針から外れにくい。米ヌカや小麦粉の団子は硬さを調整できるので扱いやすい。市販のオイカワ用練りエサは付けやすく安定して釣果が出やすい。冬場の食い渋りには紅サシも有効だ。どれも小さく付け、針先を少し出すのが基本である。

●実際の釣り方

 タナを調整しながら流れに仕掛けを乗せる。エサを流しながら時々ほんの少し竿先を動かして魚に誘いをかけるのも有効。ウキが止まったり水中にウキが引き込まれたら、竿を軽く持ち上げるだけで十分だ。強くアワセを入れる必要はなく、優しく竿を立てれば針に掛かる。

●風と寒波への対処

 強い風の日は仕掛けも振りにくく、魚の反応も落ちる。そんな日は風を避けて橋の下や土手の陰などを探すとよい。仕掛けを短めにし、オモリを少し重くして流れに入ってもウキが立つように合わせ、ウキ直下をエサが流れるイメージだ。雪や寒波の日は魚も動きが鈍るので、無理をせず風のない穏やかな日を選んで出かけたい。

■秋冬は美味。仕上げは二度揚げで食べやすく

揚げ方は二度揚げが基本。骨まで柔らかく、南蛮漬けや素揚げで美味しく食べられる

 秋冬のオイカワは臭みが少なく、脂が乗って美味しい。持ち帰るときは氷で冷やし、水気を取って保存する。下処理はシンプルでよい。まずはボウルにまとめて入れ、粗塩を振ってぬめりを取る。水洗いするとウロコも簡単に取れる。次にハラワタを取り除き、骨が気になる大きめの個体は頭も落とす。揚げ方は二度揚げにすることで骨まで柔らかくなり、南蛮漬けや素揚げで楽しめる。よりサクサクとした食感が欲しい場合は、片栗粉をまぶしてから揚げるのがおすすめだ。

■安全とマナーを守って楽しもう

足場が整った河川の一角。安心して竿を出せるポイント

 川での釣りは遊漁券が必要な場所や場合もあるので、事前に確認すること。また釣り場付近での路上駐車によって近隣住民に迷惑をかけないようにし、ゴミは必ず持ち帰り、釣り場をきれいに保つことを最低限のマナーとしてもらいたい。

 寒い時期を過ごしたオイカワは、春になると鮮やかな婚姻色をまとう。産卵期を控え、川のあちこちで活発に動き回るようになる。季節ごとに変わるその姿を釣りを通じて知ることで、一年を通して楽しめる対象魚をより身近に感じるはずである。