涼しくなってからが本番のオイカワ。呼び方もさまざまで、地方によってはヤマベやハエ、食味が増す秋冬には寒バエとも呼ばれている。近所の小川で釣ることができ、快晴で無風の日中なら数釣りが楽しめる。延べ竿にシンプルな仕掛けで始められ、秋冬は食べる楽しみも加わる。

■旨みが増すのは10月中旬〜2月。涼しくなってからが本番

脂の乗ったオイカワは寒バエと呼ばれ、旬の味覚として親しまれている

 オイカワは一年を通して釣れる魚だが、食味がアップするのは川の水温が下がり始める10月中旬から2月頃である(地域によって差が生じる)。冬を越すために栄養を蓄え、旨みが増す。寒くなるにつれて川の水は澄み、オイカワの群れは日が差す浅場に集まりやすくなる。朝夕は冷え込みで動きが鈍いことが多いので、昼間の暖かい時間帯が狙い目となる。

●身近な川でポイントを探す

近所の小川。草陰や浅場など、水の流れが緩む場所にオイカワなどの小魚が集まりやすい

 身近な川のちょっとした変化のあるポイントがオイカワの付き場になる。橋の下や堰の下のよどみ、川の流れがカーブする内側など、水の流れがゆっくりになるピンスポットを探すとよい。特に寒い季節になると陽があたる場所に魚が集まる傾向がある。広範囲を探す必要はなく、狙うのは足元から竿一本程度の範囲で十分である。

■道具と仕掛けはいたってシンプル

延べ竿と仕掛けのシンプルな組み合わせ。身近な道具で気軽に始められる

 竿は2〜4mほどの、延べ竿が使いやすい。道糸は細めのナイロンでよく、小さな棒ウキとその下に軽いオモリを付け、針を結ぶだけのシンプルな仕掛けだ。オモリは最初小さめを付け、流れが速いポイントや風がある時は少し重くして調節するとよい。基本は「流れに入った時にウキが立つこと」である。タナ(魚がいる、あるいは魚がエサを食べる水深)は釣り場の状況に合わせてウキの位置を上下に調整して探ってみるのがよい。