■サバ缶と合わせてみる

トマト味のサバ缶の例

 さて、あとはどうやって食べるか。

 めんつゆに浸けて食べるのがスタンダードだけど、洋風や中華風に味付けしてもおいしくなるのがそうめんのいいところ。缶詰好きのぼくとしては、トマト味のサバ缶に合わせて食べることを提案したい。

 トマト味のサバ缶は数種類が発売されていて、それぞれ味付けに工夫がある。例えばマルハニチロの「さばのトマト煮」は、トマトのプロフェッショナル企業「カゴメ」製のトマトペーストを使っていて、トマトの味が濃い。例えて申せば、ホールトマト缶をひたすら煮込んだような味なのだ(ひたすら煮込んだことがない人は妄想してください)。

 清水食品の「サバ・トマレモ トマト&レモン味」は、トマトソースにレモン果汁が加えられている。レモンの心地良い酸味と香りがあり、わずかにレモン特有の苦みも感じられる。そのおかげでトマトソースの味が一段階、深くなっている。

◼️トマト味のサバ缶で夏バテ対策

サバ・トマレモで味付けしたそうめん

 かくのごとし。そうめんにサバ・トマレモの缶汁を絡め、サバは食べ応えのある具として活用した。そのままでは塩気が足りないので、適宜、塩を足している。最後に青シソと黒コショウをトッピングすれば缶成(完成)!

 トマト味のサバ缶をそうめんに合わせたのには理由がある。サバは良質のタンパク質を持っているし、トマトに含まれるリコピンは強力な抗酸化作用があるから、どちらも夏バテに効くはずなのであります。

 そうめんをおいしく味わう秘訣は、茹でた後の水洗いと水切りにある。洗う際には水をふんだんに使うし、その分、排水もある。なので、アウトドアでそうめんを楽しみたいなら、給排水の設備が整っているキャンプ場に限る。

 もし、水の使用に制限のある場所(山上のテント場など)でそうめんを食べたい場合は、食塩と植物油を使わずに作られたそうめんを選べばいい。例えば宮城県の白石温麺(しろいしうーめん)は、伝統的に植物油を使わずに作られていて、なかには食塩不使用のタイプもある。そういうそうめんなら、茹でた後で洗う必要がないし、茹で汁に味を付けて温麺にすることも可能であります。

 

<今回の缶詰情報>

マルハニチロ「さばのトマト煮」150g

清水食品「サバ・トマレモ トマト&レモン味」140g