■【釣り方のコツ】“速巻き”でシロギスだけを狙う

シロギスは遊泳力が高く、動くものに興味を示し、エサを見つけるとすばやく追って口にする。そこで、仕掛けはただ投げて待つのではなく、リールをゆっくりと巻きながら(リーリング)反応を探るのが基本だ。
リーリングスピードが釣果を左右すると言っても過言ではない。リールを巻くスピードが速すぎるとエサを追いきれず魚が口にできない、反対に巻くのが遅すぎるとシロギスが複数のエサを口にして仕掛けが絡まったり、シロギス以外の魚、ベラ、フグ、メゴチなどの外道が掛かりやすくなる。
リーリング速度の目安は、一番下の釣り針にキスが掛かる状況なら、速すぎるのでもう少し速度を落とした方が良い。反対に一匹のキスが複数の釣り針を口にしてる場合や、フグ、ベラ、メゴチが釣れるようなら遅すぎるか、場所を変える必要がある。遊泳力の高いチャリコ(マダイの幼魚)が釣れる時は、釣り場を思い切って変えるのも手だ。
■釣ったら食べてみよう! 夏の恵みを新鮮なうちに

釣ったシロギスは持ち帰って、天ぷらや塩焼きにして味わいたい。持ち帰る際はクーラーボックスを用意し、少量の海水と氷を入れた「潮氷(しおごおり)にすると魚の鮮度を保ちやすい。
クーラーは短時間なら簡易的なものでOKだが、太陽で熱く焼けた砂浜の上に長時間置くようなら、底面が真空パネルになった保冷力の高いクーラーの方が安心だ。
■青い海とキスがくれた、夏の思い出

自分で釣りあげた魚を食卓に並べる。そんなシンプルな体験が、心に残る特別な時間となる。夏場でも涼しさを感じられる海辺の風景と、引き釣りの軽やかな釣趣。そして口に広がる旬のキスの上品な味わい。気軽に始められ、家族や仲間と一緒に楽しめるキス釣りは、まさに夏にふさわしいアクティビティだ。