◼️ウインナーソーセージ缶に入っている水の役割とは?

ウインナーソーセージ缶は中の汁も使う

 火が通ったニンニク&玉ネギに、コンビーフとウインナーソーセージを加える。この時に火をつけたままだと、ニンニクと玉ネギが焦げてしまう可能性があるので、一度火を止めたのであります。

 ちなみに、ウインナーソーセージ缶はどのメーカーの商品でも、たいてい水が入っている。缶内を水で満たしておくと、製造時の加熱殺菌の工程で、内部を均一に加熱できる利点があるのだ。使われているのは水道水だが、ウインナーソーセージに含まれる塩分が溶け出しているので、舐めるとちょっとしょっぱい。

 急に思いつき、その水も全てクッカーに入れることにした。この判断が、後に素晴らしい結果をもたらすことになった。

◼️ひと煮立ちさせることの効果

左:最後の材料を加えて再点火 右:ひと煮立ちした様子

 黒インゲン豆を好きなだけ加え(この時は1/4缶を入れた)、ひたひたになるまで水を注いでから、ローリエと黒コショウを加える。再びバーナーに点火して中火にし、軽くかき混ぜながらひと煮立ちさせる。表面に細かい脂が浮いてきたら缶成(完成)であります。

 材料のほとんどが缶詰なので、こうしてひと煮立ちさせなくても食べられるわけだが、加熱するとそれぞれの香りの立ち方がまったく違ってくる。また、コンビーフやウインナーソーセージには脂が含まれているから、加熱によってそれらを溶かせば、全体の味にまとまりが生まれるのだ。

■缶汁のおかげで塩いらず

アルファ化米に汁ごとかけていただく

 かくのごとし。あらかじめ仕立てておいたアルファ化米に、フェジョアーダを汁ごとぶっかけていただく。フェジョアーダの本場ブラジルでも、こうして白ごはんと一緒に食べるのが一般的だそうだ。

 さて、缶心(肝心)のお味は…… 予想以上にうまく出来た。ウインナーソーセージは加熱によって皮がパリッとし、中の肉がプリプリしている。コンビーフは特有の肉々しい匂いが緩和され、そのウマいエキスを豆や米に供給している。柔らかい豆とごはんの相性もいい。全体的には穏やかな味なので、ローリエの甘い香りと黒コショウのパンチは必須であります。

 一番の成功は、ウインナーソーセージの汁を使ったことだ。しょっぱい汁のおかげで全体にほどよい塩味がついたうえ、残った汁を処分する手間もかからなかった。

夏本番、山も本番

 フェジョアーダは豆と肉、野菜のバランスが取れており、ごはんと一緒に食べることで腹持ちが良くなる。また、味付けが素朴なので調味料が少なくて済むのも山ごはん向きだと思う。

 なにより、山でフェジョアーダを食べるという意外性がいい。今度、仲間と登山に行くときには、張り切ってお披露目する予定であります。

 

<今回の缶詰情報>

明治屋「ウインナーソーセージ 90g」

明治屋「コンビーフ・スマートカップ 80g」

スミス&ウェッソン「ブラックビーンズ 425g」