■楽しい釣りにつきものの予想外のハプニング

釣りにトラブルはつきものだ。ある女性は、フィールドでトイレに行こうと茂みに入った際に蜂に刺されるという災難に見舞われた。自然相手の釣りには、こうした予期せぬリスクも潜んでいる。
また、夜釣り中にエイに竿を持っていかれたという衝撃的なエピソードも。10m以上引きずられた竿を近くの釣り人と協力して回収したというが、その釣り人とは今でも釣り場であいさつを交わす仲だとか。ハプニングが縁を生むことがあるのも、釣りのおもしろいところだ。

川釣りでは流れに飲まれて全身ずぶ濡れになったケースもあった。以降、その女性は「少し無理をして行く場所」は避けるようになったという。こうした体験から、無理をしない安全第一の釣行スタイルを選ぶようになるのも、女性ならではの知恵といえるだろう。
■初心者だからこそ感じる「盲点」と「発見」

「安い釣り具でも十分に楽しめる」というのは、釣りを始めたばかりの頃に驚いた点だと複数の女性が語っている。漁港などでは、数千円のセット商品でも十分釣果が出るという。ハードルが高そうな渓流釣りでも、水中で活動する際に着用する「ウェーダー」などの装備込みで15,000円前後で楽しめるというのは初心者には朗報だ。
また、汎用性の高いロッドがあれば、さまざまな釣りに対応できることも意外だったという。最初は専門的な道具を揃えたが、結局使い分けるよりも万能タイプの方が便利だったという声もある。極論、磯釣りではシーバスロッドさえあればなんとかなるとか。
「釣り=待ち時間が長くて退屈」というイメージは完全に覆された。渓流釣りは歩く、考える、工夫するの連続で、頭も身体もフル回転。まったく暇な時間はなかったとか。

釣りを始めたきっかけや最初の苦労、そして思わぬトラブル。そこには、SNSでは見えない釣り女子たちの「素顔」があった。彼女たちは不安や課題を抱えながらも、釣りというフィールドの中で自分なりの楽しみ方を見出し、成長している。
後編ではさらに踏み込み、釣り場での人間関係や女性ならではの視点、そしてSNSとの向き合い方など、釣り女子たちのリアルな日常に迫っていく。
●ご協力いただいた釣り女子のみなさま
Nao Suzuki(ちぇぷ子)/@chepuko_fishing
Maiko/@maimy1211
中村明美さん