SNSで見る釣り女子の姿は、スタイリッシュで爽やかだ。しかし、実際の釣行では体力的なハードル、環境面の苦労、そして女性ならではの課題が存在する。

 今回は3人の釣り女子に取材を行い、「華やかさの裏側」にあるリアルな姿を掘り下げる。釣りを始めたきっかけや最初の苦労、思わぬハプニングなど、彼女たちの原体験は、これから釣りをはじめてみたいと考えている女性にとっても必見だ。

■釣りとの出会い~はじめたキッカケは人それぞれ

最初は慣れない餌付けに悪戦苦闘。それでも釣りをする時間にハマる釣り女子たち

 釣りを始めるきっかけは人それぞれ。ある女性は大学で釣りサークルに入部したことがきっかけ。アウトドアや生き物がもともと好きだった彼女は、入学直後に何気なく手にした勧誘のビラに惹かれたという。自然と向き合い、魚という生き物を相手にする釣りは、彼女にとって一瞬で心をつかまれる体験だった。

 また、幼少期に祖父と一緒に磯釣りを楽しんでいたという女性もいた。成長とともに釣りから離れた時期もあったが、大学生になって再び釣りに触れ、そこで釣りのおもしろさを再認識したという。「初めて大きなキジハタを釣った瞬間、雷に打たれたような衝撃だった」と語る彼女は、今では家族で釣りに出かけるまでになっている。

 一方で「友人に誘われてなんとなく始めた」というケースもある。そこから渓流釣りにのめり込み、今ではヤマメやサクラマスを求めて遠征するほどに。共通点は、釣りが人生の一部になっている点。釣りなしの生活はもう考えられないのだろう。

■誰にも見えない「釣り女子」の苦労とは

山や川など、自然の中をかき分けて進むことも多く、女性は体力面で辛いことも多い(写真提供:Nao Suzuki(ちぇぷ子))

 釣りといえば楽しいレジャーというイメージが強いが、実際にはさまざまな苦労が伴う。特に女性の場合、仲間が男性中心であることが多く、「宿泊を伴う遠征」などにおいて一緒に行動しづらい場面が多いという。

 また、体力面の問題は避けられない。重いランガンバッグを担いで磯を歩き、キャストしても思うように飛距離が出ない。特に潮目に届かない場面では「あと数メートル!」と悔しい思いをすることも日常茶飯事だ。

大物が連れたときは、釣り上げるまで苦労するがそれも楽しい時間と釣り女子のみなさんは語る(写真提供:Maiko)

 本流釣行では、川の流れの強さに男性ほど耐えられず、ポイントにたどり着けないことも。1人釣行では安全面も加味すると、入れる場所はさらに限られてしまう。力の弱さゆえに、大物とのファイトでは時間をかけて魚を弱らせなければキャッチができないというのもリアルな苦労のようだ。