神奈川県北西部に位置する丹沢山塊の、ほぼ中央にある塔ノ岳(とうのだけ・標高1,491m)は、東京方面からのアクセスに優れ、眺望がとても良い山である。そんな丹沢山塊には表丹沢と裏丹沢があり、今回登山レポートする塔ノ岳は表丹沢の一部である。

 表丹沢には、塔ノ岳の他に日本百名山で有名な丹沢山(たんざわさん・標高1,567m)や、表丹沢の中で最高峰である蛭ヶ岳(ひるがたけ・標高1,673m)が含まれている。

 主要登山口である大倉登山口へ小田急・渋沢駅からバスが、ヤビツ峠登山口へ小田急線・秦野駅からバスが出ており、東京・神奈川からの登山者が多く賑わいを見せている。

■大倉登山口から標高1,491mへ

振り返ると相模湾が見えた絶景

 今回筆者が利用したアクセスは、小田急・小田原線の渋沢駅から。新宿から約75分で到着し、駅前から神奈川中央交通バスを利用して登山口へ向かう。バスの乗車は約15分で、下車から15分歩けばスタートの大倉登山口だ。

■塔ノ岳頂上へ向け、徐々に上がっていく

徐々に急になる登山道

 7時30分に大倉登山口を出発し、針葉樹林の中をゆるやかに上がっていく。少し進むと、丹沢登山についての心得が書いてある看板を通過する。ヤマビル注意の看板もあったが、この時の登山では遭遇しなかった。塔ノ岳に登ったのは、秋も終わりかけの11月下旬である。晩秋では、気温の低い日も多いが、結果としてヤマビルに遭遇せずに済んだのかと思う。また、今回使用した大倉登山口からのルートは、積雪は無く歩きやすい登山道であった。

 2時間ほど歩く中で、いくつかの茶屋を通り過ぎた。顔出しパネルがある「堀山の家」を通り過ぎると、徐々に上り坂が急になり始めた。岩場や歩きづらい場所は少ないが、ひたすら体力を使うような整備された登山道が続く。個人的には登山経験が4〜5回くらいのハイカーに、最適のコースだと感じた。

 段々と頂上に近づくと、樹木の背丈が低くなっていき、切り立った展望を背に登山道を歩くようになる。その時には、ぜひとも後ろを振り返り、雄大な相模湾を見てほしい。登ってきた登山道を眺めつつ、休憩しながら、景色を撮影するのも良いだろう。