■“森の妖精” レンゲショウマが山に舞う

森の中を歩くこと約2時間、鼻曲山の山頂手前まで来ると木々の間にふわふわと何かが浮いているのに気づく。“森の妖精”レンゲショウマが姿を現したのだ。
“森の妖精”と称されるレンゲショウマが、鼻曲山で見られるのは例年8月上旬から中旬にかけての期間限定だ。
レンゲショウマは、細い茎の先に1cmほどの玉のようなつぼみと薄紫色のスカートを広げたような5cmほどの花を咲かせ、とても特徴的な見た目をしている。
山の中で見ると細い茎が山の木々に溶け、薄紫色の玉や可憐な花が、まるで宙を舞うように揺れている。この様子を見て“森の妖精”と称したのは「なるほど」と思える光景だ。

レンゲショウマの群生地は鼻曲山の北斜面、標高1,550m付近から鼻曲山山頂までの間にある。二度上峠から登る場合は、山頂までの登山道上にあるため咲いているのを見逃すことはまずないだろう。他のコースから登る場合は鼻曲山山頂を経由して、少し下ることになる。
レンゲショウマが咲いている場所は傾斜がきつくなっているので、花に夢中になりすぎて転んだり滑ったりしないように足元には気をつけよう。

■夏の軽井沢で妖精に出会う旅
今回は、期間限定で“森の妖精”レンゲショウマに出会える山、鼻曲山を紹介した。夏の軽井沢の思い出に“森の妖精”を加えてみてはいかがだろうか。
標高1,000mを超える軽井沢とはいえ、登山中は暑くなるので熱中症対策は忘れずに。
●【MAP】鼻曲山
【二度上峠~鼻曲山往復コース】所要時間
二度上峠(0:00)→ 獅子岩(0:20)→ 氷妻山(0:55)→ 鼻曲山(2:05)→
氷妻山(3:05)→ 獅子岩(3:30)→ 二度上峠(3:45)
歩行距離: 約6.5km
累積標高差: 登り 635m、下り 635m
合計所要時間: 3時間45分
【長日向バス停~鼻曲山往復コース】所要時間
長日向バス停(0:00)→ 鼻曲山(2:00)→ 長日向バス停(3:30)
歩行距離: 約7.3km
累積標高差: 登り 555m、下り 555m
合計所要時間: 3時間30分