長野県の軽井沢町と群馬県の高崎市、長野原町との境に位置する「鼻曲山(はなまがりやま・標高1,655m)」は、関東百名山、ぐんま百名山、信州百名山に名を連ねる山だ。

 1年を通して登山者が多い山だが、特に8月には“森の妖精”との出会いを夢見て、たくさんの登山者が訪れる。

 今回は、昨年8月に“森の妖精”を探して、鼻曲山を訪れたときの様子を紹介する。はたして“森の妖精”に会うことはできたのか!?

■妖精が舞う山   鼻曲山へ

二度上峠から望む浅間山と連なる山々

 鼻曲山の登山道は四方から整備されており、西の「長日向(ながひなた)バス停」、北の「二度上峠(にどあげとうげ)」からの登山道が往復4時間以内と登りやすいコースだ。

 長日向バス停までは軽井沢駅からバスで約20分だ。二度上峠周辺は公共交通機関でのアクセスはのぞめないが、登山者用の駐車場があるため、車で行く場合はこちらが便利だ。どちらからのコースもコースタイムに差はないが、今回筆者は二度上峠から鼻曲山を目指した。 

 登山口がある二度上峠からの眺望は素晴らしく、浅間山から湯の丸高原まで続く山並みが登山者を迎えてくれる。絶景を堪能してエネルギーを充電したら登山道へ向かおう。

妖精を探して進む木漏れ日の登山道

 登山道は木々に覆われており眺望はあまりないが、代わりに夏の日差しを和らげてくれる。吹き抜ける風も涼しく、気持ちよく緑が輝く登山道を進んでいく。

 登山道はよく整備され、目立った危険箇所はないが、道幅はそれほど広くはないため、すれ違いには注意が必要だ。また、鼻曲山山頂直前は急な上り坂になっているのでペース配分には気をつけよう。

 急登を越え、山頂に立つと南側は展望が開けている。筆者が登ったときは低い位置に雲がかかった状態だったが、天気がよければ軽井沢の街並みや奥秩父の山々などが見渡せるはずだ。

鼻曲山山頂から奥秩父方面を望む