■ 登山道の特徴と見どころ

●滝覗きからの絶景

 生瀬富士の稜線歩きの途中、絶対に立ち寄りたいスポットが「滝覗き」である。その名の通り、断崖の上から袋田の滝を俯瞰できるポイントで、滝全体を見下ろせる希少なビューポイントである。

 落差120mの大滝が、まるで白糸のように流れ落ちる様子を上から眺める体験は、生瀬富士登山ならではの魅力といえる。切り立った岩場に立ち、滝の轟音とともに谷から上がってくる風を感じる瞬間は、まさに自然との一体感を味わえる貴重な時間となるだろう。

滝のぞきの標識。後方に小さく見えるのは袋田の滝である

●岩稜歩きの魅力

 月居山から生瀬富士へ向かう区間では、稜線上に岩がむき出しになっている箇所があるが、景色に見惚れ、うっかり躓かないように注意したい。冒険心をくすぐるちょうど良いアクセントとなっている。

稜線上に岩がむき出しな箇所

●生瀬富士山頂からの景色

 生瀬富士の山頂は開けた岩場となっており、眼下に広がる大子町の田園風景、奥久慈の稜線、そして遠方の山々までが一望できる。標高は低くても、この開放感は高山にも劣らない。昼食や休憩をとるのにも適した場所で、軽く風に吹かれながらのんびりと絶景を楽しむことができる。

生瀬富士山頂からの景色